[進化する物流vol.4]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その1】
AGVが棚の間を昇降/EXOTEC Nihon
オークラ輸送機は今年8月、フランスのEXOTEC(エグゾテック)ソリューションとピッキングシステム「Skypod(スカイポッド)」のパートナー契約を結び、ブース内でも同製品を紹介したが、エグゾテックの日本法人「EXOTEC Nihon(エグゾテックニホン)」も独自で出展し、スカイポッドを展示した。 スカイポッドではAGVがコンテナを搬送する。特徴は、そのAGVが棚の間を昇降できる点だ。棚の支柱にレールを設け、昇降の際にはそのレールを使ってAGVが上下する。そのまま、目的のコンテナを取り出して、地上に降りてピッキング用のステーションまで走行して運ぶ。 市場に多い棚搬送型AGVでは重心が上部に偏り、バランスを保つために速度を上げにくい。一方、同システムのAGVが搬送するのは単体のコンテナのみで重心が低く安定する。最速で毎秒4mまで加速でき、生産性を上げられる。 また、棚には電気装置や制御装置を使っていない。そのため、一般的な自動倉庫と異なり、設備の活用や増設などのレイアウト変更も柔軟に対応できる。導入後に規模を拡大する際も、棚やAGVを増設して制御ソフトウエアに認識させ、AGVの管理地域を広げるだけで済む。 担当者は「今までの実績では200m四方の規模でも、オーダーから2分以内にピッキング用ステーションまで注文品を運んできた。機器や棚は模倣品が出るかもしれないが、統合制御できるソフトこそがスカイポッドの最大の強み。並みの処理能力では、棚を昇降して地上を秒速4mで走り回る複数のAGVを制御できない」と自信を見せる。