2022.09.26
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[進化する物流vol.4]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その1】

AGVが棚の間を昇降/EXOTEC Nihon

 オークラ輸送機は今年8月、フランスのEXOTEC(エグゾテック)ソリューションとピッキングシステム「Skypod(スカイポッド)」のパートナー契約を結び、ブース内でも同製品を紹介したが、エグゾテックの日本法人「EXOTEC Nihon(エグゾテックニホン)」も独自で出展し、スカイポッドを展示した。  スカイポッドではAGVがコンテナを搬送する。特徴は、そのAGVが棚の間を昇降できる点だ。棚の支柱にレールを設け、昇降の際にはそのレールを使ってAGVが上下する。そのまま、目的のコンテナを取り出して、地上に降りてピッキング用のステーションまで走行して運ぶ。  市場に多い棚搬送型AGVでは重心が上部に偏り、バランスを保つために速度を上げにくい。一方、同システムのAGVが搬送するのは単体のコンテナのみで重心が低く安定する。最速で毎秒4mまで加速でき、生産性を上げられる。  また、棚には電気装置や制御装置を使っていない。そのため、一般的な自動倉庫と異なり、設備の活用や増設などのレイアウト変更も柔軟に対応できる。導入後に規模を拡大する際も、棚やAGVを増設して制御ソフトウエアに認識させ、AGVの管理地域を広げるだけで済む。  担当者は「今までの実績では200m四方の規模でも、オーダーから2分以内にピッキング用ステーションまで注文品を運んできた。機器や棚は模倣品が出るかもしれないが、統合制御できるソフトこそがスカイポッドの最大の強み。並みの処理能力では、棚を昇降して地上を秒速4mで走り回る複数のAGVを制御できない」と自信を見せる。

スカイポッドや仕分け棚搬送システムなどをPR/IHI物流産業システム

IHI物流産業システムはスカイポッドと棚搬送式仕分けシステムを展示

 2021年6月からスカイポッドを扱うIHI物流産業システム(東京都江東区、笠俊司社長)も、スカイポッドを大々的にアピールした。大型の実機を会場内に設置し、ピッキング作業者のところに物を運ぶデモを披露した。  その他、Mujin(ムジン、東京都江東区、滝野一征最高経営責任者)の棚搬送AGVに仕分け用の棚を搭載し、アイオイ・システム(東京都大田区、多田潔社長)のデジタルピッキングシステムと組み合わせた独自の仕分け・搬送システムも展示し、大きな注目を集めた。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜、曽根勇也)

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