2024.06.20
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[直前特集RTJ2024 vol.1] 最先端の自動化技術が集結! 開催規模は今年度最大級

秋以降の回復に期待感

ロボット産業の足元の受注は低調だが……

 現在、産業用ロボットの受注は低調だ。5月31日に公表された日本ロボット工業会(会長・橋本康彦川崎重工業社長兼CEO)の統計を見ても、会員・非会員合わせた2023年の受注額は対前年比24.1%減の8434億円にとどまった。  同工業会は「国内外向けで半導体用に減少がみられたほか、輸出ではロボット需要を強くけん引してきた電子部品実装用が中国向けを中心に減少するとともに、溶接用は欧米向けで減少した」とのコメントを発表している。  会員のみを対象とした四半期統計を見ても、24年1月~3月の受注額は前年同期比24.0%減の1582億3400万円にとどまった。  しかし、大きな社会課題となっている人手不足を背景に、産業界からの関心は高い。ロボットやその周辺機器のメーカーや商社、SIerなどにヒアリングしたところ、引き合いは依然として多いという。  「低迷していた中国市場はもう底を打った。先が見通せない時期は終わり、今後は徐々に回復していく」「景況感はまだら模様で、悪くない業界や地域も少しずつ増えてきた」「自動車はエンジン車向けの投資もいくらか発生しており、それほど悪くない」「半導体向けの設備投資は一時的に落ちても、また確実に増える」と業界関係者は語る。  今年の秋、あるいは冬以降に受注が回復するとの見方をする関係者は少なくない。

5月末の総会後の懇親会で「上振れを期待したい」と話す日本ロボット工業会の橋本康彦会長

 日本ロボット工業会では5月末、24年の受注額の見通しを前年比2%増の8600億円と発表したが、同工業会の橋本会長は「大きく上振れすることを期待したい」と話す。他の大手ロボットメーカー経営者からも「もっと上の水準も十分狙える」との声が聞かれた。  受注が低調で受注残も消化し、これから回復に向かうタイミングだからこそ、出展者のRTJにかける期待は大きい。

中部ならではの提案を

 今回の特集では、開催に先駆けて同展の見どころなどを紹介する。インタビューではまず、最大級のブースを構えるファナックの山口賢治社長兼CEOに登場してもらい、RTJへの意気込みを聞いた。ロボットの専門知識がなくても使いやすい協働ロボットを多数展示し、新たな顧客層の開拓を狙う。  デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)FAプロダクト事業部長の神谷孝二執行役員にも話を聞いた。RTJは同社の地元の愛知県で開催されるだけに期待も大きい。  インタビューに続いて、産業ロボットや周辺機器、商社・SIerなど分野別に各社の展示内容を紹介する。ファナックと並んで最大級のブースを構える安川電機の展示内容も事前にチェックできる。また、RTJには工作機械メーカーの出展も多く、工作機械とロボットの組み合わせも取り上げる。その他、今回初出展の企業にも展示内容や今回展への意気込みを聞いた。  特集内では出展者全体のほんの一部しか紹介できないため、展示内容が知りたい場合はRTJ公式サイトの出展者情報のページを確認してほしい。

今回展のイメージ画像

 今回展のキャッチコピーは「アイデアは現場だけでは生まれない」。ぜひ来場し、新たな自動化のアイデアを会場で見つけてほしい。  事前来場登録で入場料1000円が無料になるため、登録をお忘れなく。 (ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也) ※この記事の再編集版は「月刊生産財マーケティング」2024年7月号(7月1日発刊)でもお読みいただけます

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