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2023.07.24
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[進化する物流vol.13]日本のニーズを肌で感じ、製品をさらに進化させる/HAI ROBOTICS 徐聖東CTO

強みは研究開発力

「本社にいる半分は研究開発スタッフ」と話す徐聖東CTO

――御社の企業としての強みは何ですか?  強みは研究開発力ですね。ハードウエアからロボット制御のアルゴリズム(計算手順)、管理系のソフトウエアまで、全て自社で開発しています。本社には約1700人のスタッフがいますが、その半分が研究開発を担当します。1500個を超える特許を保有しています。

左の棚が奥行き2倍の「ダブルディープ」仕様の棚。「トリプルディープ」はさらに保管効率が高い。

――今後の開発の計画は?  商品のピッキング(集荷)スピードを高めることは、倉庫向け自動化システムの永遠の課題であり、常に改良に取り組みます。また、使用する棚の奥行きを3倍にして、1カ所に箱を3つずつ置けるようにした「トリプルディープ」仕様のシステムも開発します。棚の奥行きを増やせば、通路が減らせる分保管効率を大幅に高められます。 ――他にはありますか?  冷凍倉庫でも使えるように、氷点下の温度帯で稼働できるバージョンの開発を進めています。その他、棚や箱に貼る2次元コードの読み取り精度を向上させるためのシステムを開発中です。

専用ステーションを使えば、複数の箱の同時受け渡しが可能

――さまざまな開発を同時並行で進めているのですね。開発力が強みと言うだけあります。  日本のユーザーや現場のニーズに合わせた開発も進めたいと考えています。日本の現場を訪問し、さまざまな関係者から直接話を聞くことで、日本の現場のニーズを肌で感じたい。それが今回の来日の目的です。そのニーズを本社に持ち帰り、製品開発にフィードバックします。日本市場は品質に対する意識や要求が高い国ですから、日本のユーザーの声に応えて開発を強化することが、製品の国際的な競争力向上につながります。例えば今回の訪問では、比較的年配のスタッフが倉庫で働いている姿をよく目にしました。年配の方でも使いこなせるよう、操作性をさらに向上させていく必要性があるでしょう。

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