社会インフラと位置付けられる存在に/日本物流システム機器協会 下代博会長 インタビュー
進化する自動化提案
――そんなに進化しているのですか? 物流システム機器とひと口に言ってもその中にはさまざまな製品分野がありますが、それぞれ大きく進化しています。例えば自動倉庫では、多段式のシャトル(搬送台車)で商品を出し入れするなど、入出庫の処理能力が格段に向上しています。自動倉庫は1960年代からある自動化設備ですが、その生産性は以前とは比べものになりません。自動倉庫は入出庫の処理量や保管量が多い場合に適していますが、量が少ない場合は、棚を搬送するタイプの無人搬送車(AGV)を使う方法もあります。多くのベンチャー企業が参入しており、その技術レベルは年々向上しています。またロボットによるピッキング技術も高度になり、商品を認識する能力や速度が格段に上がっています。 ――それぞれ能力が向上しているのですね。 入出庫や搬送、ピッキングだけでなく、自動化提案の領域はあらゆる工程に広がっています。例えば梱包や送り先ごとの仕分け、カゴ車などへの積み込み、そこからさらにトラックの荷台への積み込みなど、あらゆる工程を対象にした自動化ソリューションが開発されています。 ――技術革新が活発な業界ですね。 確かにそうかもしれません。人工知能やロボティクス・AGV関係の海外のベンチャー企業なども最近は当協会の会員として入会していただいております。 ――国内メーカーだけが集まった団体ではないのですね。 国内のマテハン機器メーカーが参画し、業界を代表する団体でもありますが、それだけではありません。さまざまな国や企業から新技術を迎え入れ、それらの導入が進むことで日本の物流現場の底上げになるなら良い事だと考えています。