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2021.03.26
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[ロボットが活躍する現場vol.14]協働使って夜間を無人で/酒井鋼管

加工機の稼働率を上げるため

 酒井鋼管がロボットを導入する目的は、作業の自動化よりも、加工機の稼働率向上だ。同社は夜勤などの体制は取っておらず、最近では残業の低減も目指してきた。しかし、夜にも機械は動かしたい。そこで人に代わり作業するロボットが必要になった。  そのため、昼間と夜間で人とロボットがスムーズに入れ替われるよう、安全柵が必要なく移動させやすい協働ロボットを選んだという。

「効果が見えるのはこれから」とロボットを使う佐藤伸哉工場長

 19年12月に導入して夜間の無人運転に取り組むが、さまざまな理由で用意した全数の加工が終わる前に停止することが多い。そのためまだ、導入による効果を実感するレベルまでは至っていない。  しかし「まだ勉強不足な点があるが、経験と実績を積んで、課題を一つ一つクリアしていきたい」とロボットを担当する佐藤伸哉工場長は意気込む。  今後は佐藤工場長だけでなく、若手の作業者もロボットに関わらせ、操作できる人間を増やす考えだ。

決め手は価格帯とサポートの受けやすさ

「成功はもちろん、うまくいかない場合でも、工場に残る物がある。それを考えれば導入する価値はある」と原裕矢社長

 今回初めてロボットを導入する同社にとって、価格帯は重要なポイントだった。全てが手探り状態。どれほどの効果を得られるかも含め、実験的な側面が強かった。  「やってみなければ分からない。ただ国内メーカーの協働ロボットは高価で、失敗できない」と原社長は話す。  そうした状況で見つけたのがオーボだった。また販売代理店の三機は、酒井鋼管の本社の近くにある。価格も抑えられる上、導入前の仕様の打ち合わせや、導入後のサポートの受けやすさは、オーボを選んだ決め手となった。  「購入だけならどんな形でもできる。ただ、自分たちだけで導入するには限界がある。そこをフォローしてもらえるのは、三機にお願いした最大の利点」と強調する。オーボi10の運用がうまくいけば、工場内のさらなる自動化にも取り組む考えだ。

(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)

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