• インタビュー
2020.08.28
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日本ですべきことは、ただ一つ。たった一つ【前編】/KUKA Japan 大田紘新社長インタビュー

マイナスはコロナだけが要因ではない

「21年後半から22年前半には、自動車関連のロボット需要が発現する」と予想する大田紘社長

――コロナ禍でどうなる?  今年1~3月の第1四半期では、会社全体の受注額が前年同期比23.0%減の6.9億ユーロ(約870億円)、販売額が同15.3%減の6.2億ユーロ(約780億円)となりました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響は大きい。年初に掲げた今年の目標では、19年と同水準の受注額を目指していますが、今後は誰にも予想できないでしょう。 ――大幅減の直接の要因は?  現在、欧米では特に自動車産業向けが落ち込んでいます。これはコロナ禍もありますが、欧州連合(EU)による自動車の二酸化炭素の排出規制による影響も大きい。21年に新基準が施行されますが、それに対応する新型車はすでに発売済み。新規の生産ラインを構築する需要が減った。次の規制強化は25年の予定です。自動車の生産ライン構築には数年かかる。逆算するとロボットやライン構築の需要は、21年後半から22年前半には発現すると予想します。

昨年の国際ロボット展(iREX2019)で披露した医療向けの展示

――自動車以外では  コロナ禍で忙しい分野もあります。例えば、医療。同分野に強い子会社としてスイスログという企業があり、KUKA自身も昨年の「国際ロボット展(iREX2019)」で披露したような、医療向けソリューションを持っています。それと協働ロボット。新型コロナウイルスの検査や研究をする医学研究所では、試験管の取り扱いなど思いのほか繰り返し動作が多い。欧州ではそういった作業での採用例が増加している。また、人同士の密接作業を避けるために人手作業をそのまま代替する用途での問い合わせは、日本でも増えています。 ――なるほど。では、その日本での方針は? それは後編でお尋ねします

(聞き手・構成 ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

<プロフィール> 大田紘(おおた・ひろし) 学歴:2001年3月京都外国語大学英米文学科卒業、10年9月関西学院大学経営戦略研究科修了。職歴:07年7月シェフラージャパン入社、12年2月シェフラータイに出向し、二輪車事業部門東南アジア地域セクターマネジャー。16年4月アトラスコプコ・ジャパン接合機器部営業部長、同J-OEM向けグローバルキーアカウントマネジャーを経て、20年7月から現職。石川県出身の43歳。 日本ですべきことは、ただ一つ。たった一つ【後編】/KUKA Japan 大田紘新社長インタビュー

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