[注目製品PickUp!vol.20]価格そのまま、性能アップ! スカラロボの旗艦製品【後編】/ヤマハ発動機「YK400XE」
強みはトータルソリューション
同社のスカラロボットは、1976年に自社の二輪車の生産ラインに投入されて以来、43年間でラインアップを拡張し続けた。現在は120mm~1200mmのアーム長のスカラロボットを取りそろえる。 それだけに「ヤマハ発動機=スカラロボット」とのイメージが強い。しかし、福川営業部長は「わが社の強みはトータルソリューション」と言い切る。 同社ではスカラロボットだけではなく、小型のアクチュエーター(エネルギーを運動に変換する装置)から垂直多関節ロボットまで幅広いラインアップをそろえる。 また、モジュール設計(自在に組み換えられるよう設計すること)を取り入れ、必要な時に必要な分だけをつないで使用できるリニアモーター駆動の搬送システム「リニアコンベアモジュール LCM100」の拡販にも最近は注力。ロボットだけではなく搬送システムも含めた「オールヤマハ」で顧客に自動化を提案できるのが最大の強みだ。 顧客も自動化システムの発注先を同社に一本化できるため、手間やコストなどが軽減でき、メリットは大きい。
シェアの向上につなげる
福川営業部長は「YK400XEは、スカラロボットを使った自動化の普及を目指す『旗艦製品』との位置付け。シェアの向上につなげたい」と意気込む。 年間販売計画は3650台。同社は目標の達成に向け、単体での販売だけにとどまらず、他の製品と組み合わせた提案にも注力する。 特に、工程間の部品搬送に力を発揮するLCM100とのシナジー効果に期待を寄せる。小物部品の組み立てや検査といった各工程の自動化をYK400XEが、工程間の部品搬送をLCM100がそれぞれ担う自動化システムを顧客に提案するなどして、両製品の販売力の向上を目指す考えだ。 YK400XEを含めたスカラロボットとLCM100のセット提案は現状、国内向けが多いが、今後は中国などの海外向けにも強化していく。 例えば、中国のスマートフォン工場では、工程間の部品搬送を主に人が担っているという。だが、人件費の高騰を背景に、各工程の自動化だけではなく工程間搬送の自動化のニーズも拡大している。それだけに、福川営業部長は「中国の工場でも今後、わが社の製品を組み合わせて使うケースが増えるだろう」と大きな期待を寄せる。
――終わり (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
関連記事:[注目製品PickUp!vol.20]価格そのまま、性能アップ! スカラロボの旗艦製品【前編】/ヤマハ発動機「YK400XE」