2019.07.03
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[特集FOOMA JAPAN]食の上流も自動化、最前線のエッセンスを会場で/安川電機

異物混入のリスク要因を徹底的に排除

異物混入のリスクをできる限り抑えた

 展示するもう一つのロボットシステムが、モートマン-HC10を使用したケーキのデコレーションシステムだ。絞ったクリームでケーキをきれいに飾り付ける。「専門の職人ほどの速さはないが、未経験者を雇ってもいきなりはできない難しい作業なので、自動化のニーズはある」(高宮取締役)。  最大の特徴が、異物混入のリスクをできる限り抑えたこと。 塗装レスの特殊仕様のロボットを使うため、塗装の剥がれによる異物混入の恐れがない。またロボット内部の部品に使う潤滑油にも配慮。万が一潤滑油が食品に混入しても健康被害のリスクがほとんど発生しない食品機械用の潤滑油を使用する。  食品衛生法の改正で、食品産業では20年に「HACCP(ハサップ)と呼ばれる国際基準に沿った衛生管理が義務化される。衛生管理の強化が求められる食品製造の現場で、異物混入のリスクを低減できるシステムとしてアピールする。

食品産業は重点項目、25年に100億円めざす

 安川電機では21年までに、特定の顧客と共に蓄積したノウハウをまとめてパッケージに落とし込み、食品向けソリューションとして広く展開する計画だ。現在は中食工場など、これまで実績があまりない分野のロボットシステムの構築は同社が直接手掛けているが、パッケージとしてまとめることで食品分野の経験がないシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)でもシステムの構築が可能になる。  国内だけでなく、25年までに中国や東南アジアなどにも食品産業向けロボットシステムを広く提供できる体制を整える考えだ。

「i³-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」も会場では紹介

 加えて、これまでも安川電機のロボットが使われてきたお菓子や冷凍食品、飲料ボトルの搬送や箱詰めなどのシステムも、さらなる高度化を図る。  同社は「i³-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」というコンセプトで、製造現場の各設備のネットワーク化や人工知能(AI)の活用などを提案する。その機能の一端を会場でも紹介する。  「国内でも海外でも食品産業の自動化ニーズは高く、中期経営計画でもこの分野を重点項目の一つに据えた。『食品産業の自動化なら安川』のイメージを浸透させ、この分野での売り上げを21年には45億円、25年には100億円まで伸ばす」と高宮取締役は語る。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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