2019.05.27
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中国ロボで協働市場に参入。市場でのイメージを変えろ!/三機

きっかけは「ロボットに焦点を当てた新しいことを」

「1年目は初めてのことばかりだったが、できることは全てやった」と吉田勝彦課長

 三機がロボット市場への参入を検討し始めたのは18年2月から。当時の木島好則社長(現会長)の「ロボットに焦点を当てた新しいことを」との考えからスタートした。  プロジェクトチームを発足し、具体的な事業内容を検討。その結果ターゲットと設定したのが、普通の産業用ロボットではなく、これから普及が見込まれる協働ロボット市場だった。協働ロボットのメーカーを調査し、オーボに着目。そこから連絡を取って、18年3月末の工場視察を経て、8月に代理店の契約に至った。  新たに立ち上げられたFA営業部RB企画課には、吉田課長とRB企画課の設立前からロボット事業に取り組む乃一章夫次長、さらにもう一人を加えた計3人が所属し、協働ロボットの拡販に向けて活動する。最近では問い合わせが増加しており、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)との連携などにも取り組む。

中国製のイメージを地道に塗り替える

三機のショールームでテストもできる

 展示会でのアピールなど地道な活動が実を結び、興味を持たれるレベルから一歩進んで、具体的に導入を検討する企業も現れた。社内ショールームでテストするケースもある。  しかし「まだ知名度が足りない」と吉田課長は話す。  協働ロボットとしては後発の製品。しかも日本では「中国製」は悪いイメージを持たれがちだ。だからこそ、展示会などで機能や安全性を説明したり、メーカーが作成した動画に日本語訳を付けて動画投稿サイトに掲載するなどし、中国製ロボットのイメージ改善と、見込み客の確保を図る。地道な取り組みを積み重ねることで「中国製だから」というイメージを塗り替え、「ああオーボね」と安心して使えるブランドと認識してもらえるようにする。

 「しばらくはイメージをどう変えるかの活動になる。一発逆転の方法はないので、地道に情報を発信するしかない」と吉田課長は強調する。  今後は事業として確立し、2年以内には人員を拡充。ロボットのメンテナンスにも対応できるようにする考えだ。さらに、ロボットだけでなく周辺機器を含めたシステムとして販売することも視野に入れる。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)

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