[SIerを訪ねてvol.42]周辺機器の開発力を生かして/高井精器
高井精器(神奈川県藤沢市、高井研吾社長)は部品の供給装置など周辺機器の開発技術と、自社工場で培ったロボットシステムの構築力を生かして、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)事業にも力を入れる。長年ベアリング部品を製造しながら、社内で周辺機器の開発やロボットシステムの導入などに取り組んできた。高井社長は「目視検査は作業者の負担も大きく、自動化が必須。他社とも協力しながら、外観検査システムの開発に取り組んでいる」と語る。
自動化システムに内製品を組み込む
検査の自動化ニーズは大きい
昨年開催された国際ロボット展(iREX)に出展し、協働ロボットと部品供給装置を組み合わせた自動検査のデモシステムを初披露した。会期中、製造業だけでなくさまざまな業界の企業がブースを訪れた。 高井社長は「来場者と話すと、やはり検査の自動化ニーズは大きいと感じた。ロボットを導入したことのない企業も多く、一貫してシステムの設計から導入までできるわが社の強みをアピールできた」と手応えを話す。 現在開発に取り組んでいるのは、カメラやレーザーセンサーを活用した外観検査システムだ。ベアリングの生産ラインに組み込み、ベアリングのシールド面にきずや変形などがないかを検査できる。コンベヤーや部品を反転するハンドなどは内製品を使う。高井社長は「シールド面の変形などはカメラだけでは検出しづらく、レーザーセンサーを組み合わせた。今年の夏ごろにベアリングメーカーへ納品するべく、開発を進めている」と説明する。