生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.03.31

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エプソンはさまざまなソリューションで生産現場の難題解決を共に目指すVol.4(1/4)

エプソンは『省・小・精』の技術を起点に、常に新たな価値創造へ取り組み、顧客の期待に応えることに挑戦し続けている。その1つとして「生産現場の革新」にも注力する。生産現場での働き手の不足や熟練工の減少、消費者ニーズの多様化などさまざまな顧客の課題がある。それに対してエプソンは総力を挙げて全ての技術を結集させ、顧客と共に課題解決に取り組む。エプソンは食品産業のロボット化にも注力し、(一社)日本惣菜協会が主導するプロジェクトにも参画する。3月22日には同プロジェクトで開発した惣菜盛付ロボットシステムの新バージョンなどが発表され、食品産業の注目を集めている。

需要は伸びるが人手が足りない

惣菜工場のロボット化を推進する日本惣菜協会の荻野武フェロー

 食品製造業は多くの人手を必要とする労働集約型の産業と言われる。その分、人手不足の影響は他の産業よりも深刻で、自動化は喫緊の課題だ。

 特にスーパーマーケットやコンビニで販売される惣菜の業界は自動化の潜在ニーズが高い。「中食」とも呼ばれる惣菜の市場規模は2011年時点で約8兆3500億円だったが、近年は新型コロナウイルス禍で落ち込んだ20年を除いて毎年10兆円を超え、右肩上がりの傾向が続く。「拡大する需要に対し、生産する人手の確保が追い付かない。この課題を解決する存在としてロボットに対する業界の期待は大きい」と(一社)日本惣菜協会の荻野武AI・ロボット化推進イノベーション担当フェローは言う。

 惣菜業界は自動化の潜在ニーズは高いが、まだまだロボットの普及が進んでいないのが現状だ。惣菜は少量多品種かつ不定形で、比較的安価のためコスト面での制約も強い。さらに、工場内のスペースも限られているため、自動化のハードルが高かった。また専門の生産技術部門を持たない企業も多く、複雑なシステムは運用しにくい。

写真は経済産業省・日本機械工業連合会主催の3月22日の記者会見「“ロボフレ”による惣菜産業革命で人手不足解消」

 「こうした課題を解決し、惣菜業界にロボットなどを活用した自動化を普及させたい」と荻野フェローは言う。そこで、今年度の経済産業省の事業である「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」および、農林水産省の事業である「農林水産物・食品輸出促進緊急対策事業のうちスマート食品産業実証事業のうち、モデル実証事業」に採択された日本惣菜協会を中心に理念を共有する企業でロボット・AIの実現場への導入を推進。エプソンもロボットメーカーの立場からこれに参画し、惣菜業界に適したロボットシステムの開発を推進する。

 「渋沢栄一が提唱した『合本主義』の考え方でプロジェクトを進めている。使命を共有し、目的の達成に最も適した人材と資本を集めてプロジェクトを推進する。エプソンも、惣菜業界に適したソリューションを開発する上で最適かつ重要なパートナーの1社」と荻野フェローは話す。

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