生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2022.06.01

[特別企画 新ロボット展 in 愛知 vol.8]一歩先行くロボとは?(1/3)

産業用ロボット展「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2022」では、セミナーや主催者展示にも注目したい。会期3日目の7月2日には「新分野に学ぶロボット活用術」と題し、ロボットを使って新分野を切り開くベンチャー企業が登壇する。過酷な環境の農業や宇宙空間でロボットを使う先駆者から、製造業や物流現場で一歩進んだ自動化を実現するヒントを探る。

野菜の出来を見極め

inahoの「AI農業ロボット」

 inaho(イナホ、神奈川県鎌倉市、菱木豊最高経営責任者<CEO>)は、農業分野にロボットを適用するベンチャー企業だ。

 移動台車にロボットアームや人工知能(AI)を搭載した「AI農業ロボット」を自社開発。それを使った野菜や果物の収穫ロボットのレンタルサービスを軸に、農作業の負荷軽減や省人化、データ活用による経営の改善などに取り組む。
 収穫ロボットは現在、アスパラガスやトマトなどに対応する。

inaho_大山宗哉COO

 同社では農産物を「一括収穫」と「選択収穫」の2種類に分ける。コメやムギなどの機械で一括して収穫する作物と、トマトやアスパラガスなどの成長具合を判断して人手で1つずつ収穫する作物との違いだ。
 その上で、選択収穫をできるロボットを展開する。AIを使った画像認識で野菜や果物の成長具合を見極め、出荷に適した作物だけを収穫する。

 大山宗哉最高執行責任者(COO)は「これまで、人の判断を自動化できなかったために機械化が進まず、全て人手で作業した。暑い中でかがんだり、しゃがんだりすれば身体への負荷も大きい。この分野に自律的に判断をする作業ロボットを展開できれば、農業に革新を起こせる」と話す。

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