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2021.04.09

ショールームを全面改装、最新の物流自動化を提案/トヨタL&Fカンパニー

豊田自動織機のトヨタL&Fカンパニーは千葉県市川市のショールーム「トヨタL&Fカスタマーズセンター東京」を全面リニューアルし、4月6日にオープンした。最新の自社製品だけでなく、グループ内外の海外メーカーの物流機器も展示し、国内ベンチャー企業ともコラボレートする。「トヨタL&Fの改善ノウハウを生かし、最適なソリューションを提供したい」と宮島久典執行職は話す。

全面リニューアルは20年ぶり 

「物流ソリューション事業の売上高を25年度までに倍増させる」と宮島久典執行職

 トヨタL&Fは物流ソリューション事業を強化している。「世界の物流ソリューション市場は、2017年の3兆円から25年に6兆円規模になると予測される。また国内の物流システム市場も、19年度の3541億円から23年度には6000億円規模になる見通し(受注額)。市場は拡大傾向にあり、わが社の物流ソリューション事業の売上高も20年度の3000億円から25年度までに6000億円まで倍増させる」と宮島執行職は意気込む。
 物流ソリューション事業を強化する一環で、約20年ぶりに東京カスタマ―センターを全面リニューアルした。

 トヨタL&Fカスタマーズセンター東京があるのは、JR東日本の京葉線・二俣新町駅の駅前。改札を出ると左側に見える建物が同ショールームだ。
 「コンサルティング型ショールーム」を掲げ、トヨタ生産・物流方式のノウハウも活用しながら顧客に最適なソリューションの提供を目指す。

  • 駅を出るとすぐにショールームが見える

  • 顧客の困りごとを聞き、解決手法を提案するコンサル型ショールーム

海外ブランドの製品も多数

バスティアンの高速バンニングシステム

 同ショールームの特徴の一つが、トヨタL&Fの製品だけでなく、グループ内外の物流システム機器を展示すること。「海外子会社の米国Bastian(バスティアン)やオランダのVANDERLANDE(ファンダランデ)の製品を国内に本格導入すべく、デモンストレーションを披露できるようにした。その他のパートナー企業の製品も展示する」と宮島執行職は言う。

 バスティアンの製品では、コンテナに荷物を積み込むバンニング作業用の自動化システム「ウルトラブルー」を展示。1時間に900個の箱を積み込め、コンテナから荷物を取り出すデバンニング作業にも使える。

 ファンダランテの製品では、つり下げ式の高速仕分けシステム「ポケットソーター」を展示。レールにつり下げたポケットに物を入れて搬送、保管、仕分け、順立て出庫ができるシステムで、天井空間を利用するため床面は別の作業に使用できる。

 米国の物流システムメーカーOPEX(オペックス)コーポレーションの立体仕分けシステム「シュアソート」も展示し、実演にも対応する。コンパクトなシステムで、平面構造の仕分けシステムと比べて設置面積を3分の1程度に抑えられる。「立体構造の仕分けシステムは珍しい。人は物を投入するだけ」(物流エンジニアリング部エンジニアリング室)という。オペックスは同社のグループ企業ではないが、トヨタL&Fが国内販売権を取得している。

  • ファンダランデのつり下げ式仕分けシステム

  • オペックスのコンパクトな多段式仕分けシステム

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