生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2021.03.04

[特集 物流機器は新世代へvol.9]いよいよ開幕! IoTやAI、ロボティクスに期待/日本ロジスティクスシステム協会 寺田大泉常務理事

「国際物流総合展2021」が3月9日~12日にかけ、愛知県常滑市の展示会場で開催される。今回は対面型の展示会に加え、ウェブ上での「バーチャル物流展」も併催する。開幕に先立ち、事務局長を務める日本ロジスティクスシステム協会(JILS、会長・遠藤信博NEC会長)の寺田大泉常務理事に今回展の概要や見どころ、物流業界の現状や課題などをウェブインタビューした。「最先端のデジタル技術やロボティクス技術を生かした具体的なソリューションが数多く展示される」と話す。

ロジスティクスを再構築する

国際物流総合展2021のロゴマーク

――国際物流総合展2021がいよいよ開幕します。
 3月9日~12日の4日間、愛知県常滑市の展示会場「Aichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ、愛知県国際展示場)」で開催します。本展はアジア最大級の物流展で、1994年に初開催してから今回で14回目を数えます。国内外の最新の物流機器や物流システム、ソフトウエア製品が一堂に集まります。テーマは「ロジスティクスのRe Design(リ・デザイン)」で、開催規模は772小間、出展者数は246社・団体です(3月2日時点)。会期中4日間で3万人の来場を見込んでいます。来場者と出展者の安全確保には細心の注意を払い、日本展示会協会や国際見本市連盟、そしてアイチ・スカイ・エキスポが定めるガイドラインに沿って、新型コロナウイルスの感染防止対策に取り組み、展示会を運営します。

――テーマに込めた思いとは。
 最近は物流業界でも、デジタル技術を活用して産業構造を変革する「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の重要性が高まっています。人海戦術で頼まれた物を頼まれた通りに運ぶ従来型のやり方のままではなく、デジタル技術を駆使して労働生産性をさらに高めたり、より地球環境に優しい物流を構築したりと、広い視野と大きな目標を持って物流業界をもう一度描き直す必要があると考えています。「新しいイノベーションを普及促進し、ロジスティクスを再構築したい」との意思で、本展のテーマを決めました。

2018年に開催された前回展でもロボット関連の展示に大きな注目が集まった

――ずばり見どころは。
 物流業界の課題解決に役立つ最新の物流機器や物流システムはもちろん、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)などの最先端のデジタル技術やロボティクス技術を生かした具体的なソリューションも数多く展示されます。

――東京都ではなく、愛知県で初めて開催します。
 これまでとは違った会場で開催するだけに、来場者と出展者のそれぞれに新しい出会いがあると期待しています。愛知県は製造業の集積地なので、製造業の来場者に向けて最新の技術やソリューションを紹介できる有意義な機会になるとも確信しています。会期中は名古屋駅や豊田市駅、刈谷駅から無料シャトルバスを運行するなどして利便性を高め、一つでも多くの出会いが生まれる場にするべく準備を進めています。

――バーチャル物流展も併催します。
 今回のコロナ禍の影響で、なかなか会場に足を運べない方も多いでしょう。そこで、集合型の展示会と並行して「バーチャル物流展」も開催します。会期は3月9日から5月31日まで。現地に来られない方も出展者の製品やサービスをウェブ上で閲覧でき、必要に応じて問い合わせをすることが可能です。

TOP