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2019.02.24

[特集SIerになろうvol.6]工作機械からも参入【その1】/高松機械工業

[特集SIerになろう]のvol.6~8では、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に参入した工作機械・関連機器メーカーの事例を取り上げる。工作機械とロボットはどちらも本体と周辺機器を組み合わせて使い、機械と電気の両方の技術が必要になる。自社の機械にロボットを組みつけて販売したことのあるメーカーにとって、SIer業界への参入障壁は高くない。産業用ロボットが使われる産業は幅広いが、工作機械・関連機器メーカーの強みを生かしどのような市場を狙うのか。【その1】では、石川県白山市に本社を置く高松機械工業の高松宗一郎社長に話を聞いた。

ベースとなる技術は近い

「需要は確実の伸びる」と高松社長

 高松機械工業がロボットエンジニアリング課を設置し、ロボットSIer事業に取り組み始めたのは2016年4月。
 受注した生産ラインの中でロボットを使ったり、自社の工作機械とセットでロボットを提供することは以前からあった。ロボットエンジニアリング課ではそういった工作機械事業の一部としてではなく、純粋にSIerとしてさまざまな産業向けにロボットシステムを提供する。

 「SIerの需要は今後間違いなく伸びる。工作機械もロボットも、機械と電気の両方の知識が必要で、ベースとなる技術は近い」と高松宗一郎社長は話す。

食品・農業などもターゲット

ニンニクやぎんなんの薄皮をむく高松機械工業の「忍太郎Ⅱ」

 強みを生かせる金属加工の他、食品や農業分野にもロボットシステムを提案する考えだ。同社は新規事業としてニンニクの薄皮むき機やギンナンの殻割機を製造し、食品や農業分野の省力化に貢献している。こうした産業向けにロボットシステムを提案する。食品や農業の企業では生産技術部門がないため、ロボットシステムを組むにはSIerの存在が不可欠だ。

 「将来的にはノウハウを結集してパッケージシステムなども開発したい。目下の課題は人材確保。ありがたいことに工作機械が活況なので、工作機械部門からロボットシステムエンジニアリング課に人を移すわけにもいかず、現状では対応できる案件の数が限られる」と高松社長は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)


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