人手不足に直面! 米国製造業で「自動化は必須」に【前編】/IMTS2024
買収したSIerがロボットシステムを構築
ロボットを使った自動化提案は会場各所で見かけたが、同提案を特に強化したのが地元米国の工作機械メーカー、ハーコ(Hurco)だ。 5年ほど前に同社が買収したロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のプロコボッツ(ProCobots)がシステムを組み、主に協働ロボットと各種工作機械を組み合わせたマシンテンディング(被削材の着脱などをロボットにさせること)を展示の中心とした。目的は当然、省人化ニーズへの対応だ。 同社は8月には川崎重工業のロボットディビジョンとも提携を開始しており、川崎重工製の垂直多関節ロボットも実演展示していた。 「これまでのわが社の提案は基本的に協働ロボットを使ったものが多く、それに比べると川崎重工の垂直多関節ロボットは顧客にとって少し導入のハードルが高いかもしれない。しかし適材適所で提案を強化できるのは間違いない」(説明員)という。
自動化レベルを段階的に高められる
日本の大手工作機械メーカーのオークマはIMTSで工作機械14台を展示し、その大半に自動化機器を取り付けて展示した。同社の米国法人は23年3月にオークマ・ファクトリー・オートメーション事業部を立ち上げるなど、自動化提案に力を入れる。 今回展では「段階的に自動化のレベルを高めていける提案を意識した」と家城淳社長は言う。協働ロボットを機械の前に据え付けただけのシンプルなシステムから、機械とロボットに加えて自律移動型搬送ロボット(AMR)や測定機まで連動する高度なシステムまでを、並べて展示した。「最終的にあらゆるものが連携するスマート工場を目指すとしても、いきなりそれは難しい。段階的に変革していけるステップを示したかった」と家城社長は話す。
ロボット付きストッカーで2台を連結
ソディックは、マシニングセンタ(MC)「UX650L」と形彫り放電加工機「AL40G+」を連結して展示した。 MCは切削工具を自動交換しながら金属などを自由形状に削り出せる機械。形彫り放電加工機は、電極を使った放電現象で金属を溶融させ、切削加工しにくい硬い金属でも求める形状に加工できる装置だ。 同社のシステムでは、MCで電極を加工し、ロボットでその電極を放電加工機に取り付ける一連の流れを披露した。 「機械単体ではなく、自動化なども含めたソリューションとして付加価値を提案する。米国でのサポート体制を強化しており、販売は順調」と圷祐次副社長最高執行責任者は言う。 その他、ヤマザキマザックや米国ハースオートメーション(Haas Automation)など、大手各社のブースには必ずと言ってよいほどロボットで自動化した工作機械が展示されていた。 また、IMTSは工作機械の展示会だが、ロボットメーカーも多数出展した。後編ではロボットメーカーの展示を紹介する。