[ショールーム探訪vol.8] 学びに最適。深掘りできる/三菱電機「東日本FAソリューションセンター」(2/3)
ロボットが人を解放する
取材には、名古屋製作所の佐野修也ロボット製造部長も駆けつけて話を聞かせてくれた。
「三菱電機は小型ロボットに強みがある。それはつまり、人の作業をサポートする意識が強いということ。根底には『人を単純作業から解放し、人がもっと難しい作業へシフトすべき』との思いがある」と佐野部長は話す。
それにしても、デモラインを見るだけでこれだけの情報量というのはすごい。
「ロボットは、三菱電機のさまざまな技術の集大成。画像認識できるカメラも自社製だ。ロボットは顧客との第一接点。現物を見るとリアル感が全く違う。ここを起点、入り口として、芋づる式にさまざまな技術を紹介できるし、せざるをえない。これは大きな強みだから、当センターでもこの強みを生かす」(佐野部長)
今後、三菱電機のロボットはどんな方向で進化していくのだろう。
「より必要とされるのは、ロボット単体ではなく、自動化システムや生産システム。それらを塊として提供しなければならない。例えばコネクターの組み立てのような複雑な作業は、実はものすごく多い。その自動化を実現するソリューションをどんどん提案していきたい。人のサポート、人の解放を目指し、最終目標は『全自動』に置いている。単純な製造ラインからの人の解放、重作業からの解放につなげたい。人は楽しく働くべきで、ロボットはその実現のための一つのキーパーツ」と佐野部長は力を込める。
佐野部長の「ロボットは一つのキーパーツ」との言葉が印象的だが、同センターではそれを体感することができる。
ワンストップのサポート体制
同センターはビルの2フロアを占め、ショールームの奥にはテストルーム、2階にはトレーニングセンターも用意する。その上の階は同本部機器営業部であり、ワンストップでサポートできる。
一方通行ではなく、まずショールームで潜在的な課題を見える化し、解決策を一緒に見いだす。従来の製品の静止展示だけでなく、デモができるようにしたのが大きな変化だ。加えて「コミュニティエリア」や「イベントエリア」を用意した。
以前はウエルカムゾーンで動画を見せるだけだったが、複合型ソリューション施設として、来場者がノウハウを学び、手法を試せる場とした。「パフォーマンスエリア」もあり、ロボットがお絵描きをし、その日の天気や来場者の名前を書きだしてウエルカムボードを作ってくれる。最後は記念撮影も。