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2020.08.25

イベント

ウェブイベントで新機能発表、AGVから構内けん引車まで/ZMP

有人フォークとの協働、トラックの荷下ろしも

自動でパレットの積み下ろしができるキャリロフォーク

 2つ目の発表が、今年発売したばかりの無人フォークリフト「キャリロフォーク」に、パレットを認識する機能「Fork Eye(フォークアイ)」を追加したこと。
 これまでのキャリロフォークは、指定された位置に置かれたパレットしか扱えなかった。しかしフォークアイ搭載モデルでは、パレットを認識するセンサーにより、パレットの位置が数十センチずれても問題なく作業できる。

パレット認識機能を搭載したキャリロフォークと笠置泰孝事業部長

 人が操作するフォークリフトで設置したパレットを扱ったり、右写真のように2段に積まれたパレットの上段だけを持ち上げることもできる。トラックからの荷下ろしも自動化できる。

 価格は、通常のキャリロフォークが5年リースで月額33万8000円に対し、フォークアイ搭載モデルは35万円。

センサーを上下動させる専用の直動機構を搭載

 右写真のように、フォーク(可動爪)を上下させるための垂直レール(マスト)の横に、上下に動くセンサー専用の直動機構を搭載。センサーを垂直に動かしながら、パレットの位置をスキャンする。
 「フォーク(可動爪)の先端にセンサーを搭載する方式もあるが、それでは位置確認後に作業に移る2段階になり効率が悪い。一方フォークアイは、フォークとは別にセンサー用の直動機構を設けており、作業効率が高い」(笠置事業部長)

建屋間搬送も自動化

ZMPワールドで受注を開始したキャリロトラクター

 キャリロシリーズで3つ目に発表したのが、自動けん引車「キャリロトラクター」だ。ZMPワールドで初披露し、同時に受注も開始した。可搬質量2.5tと25tの2機種をラインアップする。
 屋外の走行も可能で、工場の建屋間搬送などに使える。2.5t可搬タイプの場合、5年リースの月額費用は15万2000円。臨時で設定ルート以外で使いたい時は、ボタン一つで手動操作に切り替えられる。

 「屋外も走行できる自動搬送車の要望は高かった。これで構内物流をトータルで自動化できるラインアップがそろった」と笠置事業部長は言う。

 8月24日から28日までは、イノベーションセンターと東京都文京区の同社小石川オフィスの2カ所で「ZMPワールド2020デモウィーク」を開催。来場者に対し、実機を使ってデモンストレーションを披露している。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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