[特別企画 密着! 高校生ロボットSIリーグvol.1]オファーは突然に/愛知総合工科高校
「第4回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会(高校生ロボットSIリーグ)」が今年12月13日と14日の2日間、愛知県常滑市の展示会場「Aichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ、愛知県国際展示場)」で開かれる。高校生ロボットSIリーグは2022年度から毎年開催されており、会場では高校生たちの熱い戦いが繰り広げられる。ロボットダイジェストでは「特別企画」として、前回大会のチャンピオン校である愛知総合工科高校が今回の第4回大会に挑む様子をこれから数カ月かけて密着取材していく。
生徒たちの挑戦を取材
「昨年度の高校生ロボットSIリーグのチャンピオン校(最優秀賞受賞校)を取材してもらえませんか?」
春の大型連休を控えた今年4月下旬。愛知県の産業振興課ロボット産業グループの担当者から突然、こんな相談が寄せられた。
愛知県は、ロボットを「作り」「使う」世界的な先進地となることを目指し、ロボット産業の振興に注力している。ロボットダイジェストを運営するニュースダイジェスト社とは特に展示会(ロボットテクノロジージャパン)事業で協力関係にある。
楽しみ半分、不安半分
そんな“パートナー”から舞い込んできたオファーの主旨をまとめると、こんな感じだ。
――愛知県は高校生ロボットSIリーグをこれまでに3回主催している。昨年12月の第3回大会で初めて地元の愛知総合工科高校が最優秀賞を受賞し、チャンピオン校に輝いた。今年12月に開催する第4回大会では運営体制や競技内容を一新する計画で、愛知総合工科高校は今回も出場する。愛知県としては、今後も安定・継続してこの大会を実施するに当たり、大会ブランドやストーリー性の強化を通じて参加者を含めたモチベーションを向上させる必要があり、それにはメディアやスポンサーへ向けた訴求が欠かせないとの思いがある。そこで、ロボットダイジェストの記者に、さながらドキュメンタリー番組のように第3回大会のチャンピオン校に密着取材してほしい――
高校生、ドキュメンタリー、密着取材。
ロボットダイジェストではこれまでほとんど実施してこなかったスタイルの取材になりそうだ。記者業に携わって10年以上たつが、10代の高校生を取材した経験はほぼない(実は過去に一度だけ、沖縄県の高等専門学校生にインタビューしたことがある)。
記者は「楽しみ半分、不安半分。まずはチャレンジだな」との気持ちで編集長とも相談し、愛知県からのオファーを引き受けた。
だが、そもそも高校生ロボットSIリーグって何だろうか?
記者は昨年12月の第3回大会を訪問し、会場の様子を取材したのだが、恥ずかしながら競技内容について熟知していたわけではなかった。競技内容を知らなければ、今後の愛知総合工科高校への密着取材にも熱が入らない。
取材対象の予習は記者業の基本の“き”。高校生ロボットSIリーグの概要を知るため、記者はある場所に向かった。
――vol.2へ続く
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)