[ロボットが活躍する現場vol.41]効果的な自動化システムの構築法とは/象印チェンブロック
象印チェンブロック(大阪府大阪狭山市、津田晴将社長)は、工作機械へのワーク(加工対象物)のローディングとアンローディングを産業用ロボットで自動化する。扱うワークに合わせてエンドエフェクターやワークストッカーを内製するなど、ロボットがより活躍できる環境作りにも余念がない。自動化システムの導入に関して、苦労や工夫した点などを尋ねたら、今後自動化システムの導入を検討する読者の役に立つ話を聞くことができた。
ロボットをより使いやすく
扱うワークの形状は円筒形がほとんどだ。平面の部分がなく真空吸着タイプのグリッパーが使えないため、ハンドの爪でつかむ必要がある。ただ扱うワークのサイズはさまざまで、それに対応したグリッパーをその都度購入するとコストがかさんでしまう。 それに対する解決策として、ハンドを内製する。また、ロボットがワークを工作機械へローディングしやすくするよう、ワークストッカーやワークの持ち替えをするための仮置き台も内製する。 「当社は工作機械を使った金属加工が得意。自分たちでものづくりができるからこそ、それを生かしてワークにフィットしたハンドやストッカーなどを作れる」と山口課長は強調する。 作業の流れとしては、まずワークストッカーに縦方向に挿している円筒形の細長いワークをつかむ。 ワークを縦向きで持ったままでは機械にセットしにくいため、ワークを一度仮置き台に置き、横向きに持ち替えて機械にローディングする。 「仮置きなどの作業を挟まず最短距離で作業する方が1回の作業効率は高いものの、ロボットのギアなどに負担がかかる体勢を強いてしまう。多少遠回りをしても、トラブルなく動き続ける方が、当社にとり価値が高い」と山口課長は言う。 仮置き台のワークを受け止める箇所はV字になっており、多少アームの位置がずれても所定の位置にワークが収まる。ハンドも縦向きと横向きどちらでも持てるよう爪の内側に縦方向と横方向の溝を設けるなど工夫を凝らす。