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2018.11.22

イベント

プラスチック成形の最新自動化提案/2018名古屋プラスチック工業展

「2018名古屋プラスチック工業展」が10月31日~11月2日の3日間、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催された。会場では、プラスチックを成形する射出成形機と、成形したプラスチック製品を金型から取り出すロボットをセットで展示するケースが目立った。専用の取り出しロボットを使った提案が多かったが、射出成形機と汎用の多関節ロボットを組み合わせた、プラスチックと金属部品を一体化して成形する自動化システムの展示も注目を浴びた。

138社・団体が出展

開会式のテープカットの様子

 プラスチック関連の総合展示会「2018名古屋プラスチック工業展」が10月31日~11月2日の3日間、名古屋市港区のポートメッセなごやで開かれた。
 「世界市場で勝つモノづくりとは!?」をテーマに、138社・団体が出展した。3日間でのべ1万7548人が来場し、大いににぎわった。

取り出しロボットが主流

射出成形機と取り出しロボットはセットで使われる

 射出成形機とは、プラスチックを成形加工する産業機械だ。
 プラスチックの成形品は一般的に①ペレットと呼ばれる米粒状のプラスチックを熱で溶かし②溶かしたプラスチックに圧力を加え金型に流し込み③冷やして固めて④固めたプラスチックを取り出しロボットと呼ばれる専用装置で取り出す――工程を経て作られる。

 プラスチック成形の現場では、④の取り出し工程の自動化に早くから取り組んできた。昔は人が射出成形機の側に立ってプラスチック製品を取り出していたが、コスト削減や生産の効率化などを目的に1970年代から取り出しロボットを使った自動化が本格化した。今では専用の取り出しロボットを使うのが主流だ。

 名古屋プラスチック工業展の会場でも、射出成形機と取り出しロボットをセットにした展示が数多く見られた。射出成形機の主要メーカーはほぼ、自社の射出成形機に何らかの取り出しロボットを搭載していたと言っても言い過ぎではない。
 工作機械メーカーであり、射出成形機メーカーでもあるソディックの担当者は「プラスチック成形の現場に人が介在するとコストが合わなくなる。そのため、基本的には取り出しロボットで自動化し、無人化する」と話す。

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