最新デジタル工場が南相馬に/ロボコム・アンド・エフエイコム
ロボコム・アンド・エフエイコム(東京都港区、天野真也社長)は、福島県南相馬市に最新鋭のデジタル工場を開所した。ドイツ・シーメンスの日本法人(東京都品川区、堀田邦彦社長兼最高経営責任者)と協力し、仮想空間の設備と実空間の設備が連動するデジタルツイン環境を実現した。デジタル技術を活用して24時間無人加工を実現する「DXロボット加工ライン」も構築。「参考になる点があればどんどん真似(まね)してほしい」と天野社長は語る。
24時間全自動ラインを構築
ロボコム・アンド・エフエイコムは、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の支援を掲げる企業だ。 ロボットと周辺機器を一体化することでシステム構築の手間を軽減するロボットパッケージの製造、販売を手掛ける。また、大物部品や特殊品の受注加工、3次元プリンターによる造形サービス、技術者育成サービスなども展開する。 6月28日には、福島県南相馬市の福島ロボットテストフィールドに隣接する復興工業団地に、南相馬工場を開所した。75m×30mの部品加工工場棟などがあり、オークマや牧野フライス製作所、DMG森精機、三菱電機など、さまざまなメーカーの工作機械を設置する。 「販売から設計、工作機械やロボットなどの生産設備まで全てが連動するデジタル工場。バーチャル空間でシミュレーションし、実際の設備が連動する」と技術面を統括する飯野英城取締役は言う。
人工知能(AI)を使って加工に必要な時間を算出し、見積もりを自動作成。受注したら加工のためのCAM(コンピューター支援製造)データや検査のための計測機用の動作プログラムなどを作成し、生産計画に最適に組み込む。製造実行システムから生産シミュレーションに基づいてダイレクトに工作機械などの設備を稼働させ、加工後の検査まで自動でこなす。 設備の稼働データや検査結果のデータは、シーメンスのモノのインターネット(IoT)基盤「マインドスフィア」を通して蓄積し、AIで分析した上で各設備にフィードバックする。