コンパクトさに驚愕、工作機械展に見る専用パッケージ提案【前編】
金属加工の業界でも産業用ロボットの普及が急速に進む。11月に東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた工作機械の専門展「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」でも、各メーカーはこぞって産業用ロボットを組み込んだ自動加工システムを提案した。特に、工作機械専用のパッケージシステムを開発し、「産業用ロボットのプログラミングができなくても使える」とアピールする企業が目立った。
自動化のハードルを下げる
金属を加工して機械部品などを作り出す工作機械。これに産業用ロボットを組み合わせれば、加工後の材料を機械から取り外し、新しい材料を機械に取り付ける作業を自動化できる。 ローディング・アンローディングと呼ばれる作業だ。 これまでもローディング・アンローディングにロボットを使うことはあったが、動作を覚えさせるティーチングが難しく、広く普及するまでには至っていなかった。 この課題をするため、ローディング・アンローディングに特化したシンプルな操作のロボットを開発する企業が増えた。
加工材料の着脱に特化
その1社がブラザー工業だ。プリンターやミシンで知られるブラザー工業は、工作機械メーカーでもある。 「SPEEDIO(スピーディオ)」のブランドで、回転する刃物を当てて加工材料を削るマシニングセンタと呼ばれるタイプの加工機を製造販売する。 JIMTOF2018で多くの来場者の注目を集めたのが、主力製品の後継機「S500X2」に自社開発のローディング装置を搭載した自動化システムだ。汎用の産業用ロボットに近い見た目だが、加工材料の着脱に特化しているため、構造がシンプル。操作には専用のコントローラーではなく、S500X2の操作盤を使うため、工作機械のユーザーが扱いやすい。 自動化をしたくてもロボットの操作が難しいと導入に二の足を踏んでいた中小企業向けの提案だ。