ロボットやAGV で自動化をもっと”フレキシブル”に
可搬質量が数百キロもある無人搬送車(AGV)が国内で増えている。また、ロボットや周辺機器の新製品も次々に開発されている。各社の提案に共通するキーワードの一つは「もっとフレキシブル(柔軟)に」だ。東京都江東区の東京ビッグサイトで、今年1月には「第3回ロボデックス(ロボット開発・活用展」、2月には「第23回機械要素技術展」が開かれた。両展から、柔軟な運用を実現する提案をピックアップして紹介する。
高可搬AGVに脚光
数百kgあるいは1t超の物まで運べる高可搬AGVが注目を集めている。使われるのは工場ではなく、物流の現場だ。荷物の入った箱を一個一個運ぶのではなく、箱を満載した荷役台(パレット)や棚ごと動かせる。 MUJIN(東京都墨田区、滝野一征最高経営責任者〈CEO〉)は以前から、物流向けに独自の人工知能(AI)技術を使ったロボットデパレタイズ(パレットの積み荷を降ろす)システムを提供していたが、今回のロボデックスからAGVとデパレタイズシステムを組み合わせた「デパレタイズ+パレットAGVソリューション」を提案し始めた。荷物の箱を載せたパレットをAGVで運び、ロボットでコンベヤーなどに荷降ろしする。 「物流は専門会社に委託することが多く、2年ごとの契約が一般的。物流企業からすれば、2年先に顧客と扱う荷物が変わるかもしれないのに、投資額の大きい自動倉庫などの固定設備は導入しにくい。AGVとロボットでフレキシブルなシステムを構築したいとのニーズは強い」と滝野CEOは話す。 AGVは800kg可搬と1300kg可搬の2タイプ。初期投資を抑えられるサブスクリプション方式(利用期間に応じて料金を支払う仕組み)でも提供予定で、今春には料金プランなどを発表する。