
【特集】[集結! 自動化の最新提案vol.4]自粛明けにロボットメーカーが独自アピール
多くのロボットメーカーや商社が、展示会などに向けて新提案を用意する。しかし、新型コロナウイルスの影響で、さまざまな展示会は中止され、発表の場を失った。そこで各社は、ウェブを使った情報発信やオンライン展示会、時期を見計らってのプライベートショー(PS)でのアピールを考える。ロボットを使った自動化、省力化は、新型コロナウイルス禍を機に加速すると予想される。そうしたニーズに応える製品の一部を紹介する。
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多くのロボットメーカーや商社が、展示会などに向けて新提案を用意する。しかし、新型コロナウイルスの影響で、さまざまな展示会は中止され、発表の場を失った。そこで各社は、ウェブを使った情報発信やオンライン展示会、時期を見計らってのプライベートショー(PS)でのアピールを考える。ロボットを使った自動化、省力化は、新型コロナウイルス禍を機に加速すると予想される。そうしたニーズに応える製品の一部を紹介する。
デンマークに本社を置くロボットハンドメーカーのOnRobot(オンロボット)は6月、アーム先端に取り付けるエンドエフェクターの一種として、自動でねじを締める「スクリュードライバー」を発売したと発表した。
ドイツに本拠地を置く真空機器メーカーの日本法人、シュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は6月29日、部品やユニットを組み合わせてロボットハンドを作製できるシステム「SXT」を発売したと発表した。
SXTではパイプや固定具など約150種類の部品を用意。
新型コロナウイルスの影響で、国内外の展示会や各社主催の新製品発表会などが相次いで延期・中止されている。海外ではドイツで開かれるロボット・自動化の国際見本市「automatica(オートマティカ)2020」が12月に延期され、国内では愛知県で開かれる「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN (ロボットテクノロジージャパン)2020」の開催見送りが決まった。顧客に最新提案を発表する場がなくなっても、自動化の進化は止まらない。そこでロボットダイジェストでは、工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)関連企業とユーザー企業を結び付けるべく各社の最新自動化提案を紹介する。
真空機器メーカーのシュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は6月、昨年末に発売したオーダーメード式の軽量真空ハンド「SLG」に対応するオンライン設計システムを公開した。
アサ電子工業(東京都小平市、麻健社長)の「高精度シリンダセンサACHシリーズ」。その開発は約10年前にさかのぼる。最近、ロボットハンドのメーカーやシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などから注目を集める理由は、自動化ニーズの高まりだけではないという。同社の販売戦略やACHシリーズの具体的な用途とは。
最近、ロボットハンドのメーカーやシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などから注目を集める、シリンダー用の磁気センサーがある。アサ電子工業(東京都小平市、麻健社長)の「高精度シリンダセンサACHシリーズ」だ。センサーは小型で、磁力を検知するだけの一見簡単な仕組みだが、S極用とN極用のセンサーを組み合わせると0.1mm単位でシリンダーの動きが分かる。すると、ロボットハンドなどのシリンダー機構の活用法は一気に広がる。
工作機械メーカーの豊和工業は昨年、ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)事業に参入した。昨年や一昨年の展示会では、ロボットを使った旋盤用チャックの自動爪(ジョー)交換システムなどを披露した。また最新の設備ではなく、工場で稼動する古い設備を自動化するシステムも提案。「未来の工場ではなく、今の工場に導入できるものを」と渡辺健司取締役機械事業部長はアピールする。
プラスチック成形品の取り出しロボットを開発、製造するユーシン精機は6月3日、箱を積み下ろしするパレタイジングロボット「PAシリーズ」を発売し、物流業界へ参入した。PAシリーズは直線運動する軸を直交させた構造で、パレタイジングロボットで一般的に使われる垂直多関節ロボットに比べ設置面積が小さい。水平軸を片側から支持する片持ち構造のため支柱が少なく、スペースを有効利用できる。可搬質量は20kgと40kgの2種類あり、本体価格(税抜き)はそれぞれ450万円と600万円。年間約50台の販売を目指す。
デンマークに本社を置く協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボット(UR)の日本支社(東京都港区、山根剛代表)は4月から、ウェブ上のセミナー(ウェビナー)を積極的に開催している。協働ロボットの定義や特徴などを説く初心者向けから、導入を考えている顧客向け、すでに導入しているユーザー向けの活用法など、テーマ別に実施する。担当者は「先行きの不透明感が増す中で、協働ロボットへの関心が以前より高まっている」と手応えを話す。