[活躍するロボジョvol.27]生産技術は難しい。だからこそ、楽しい/シチズン時計 高橋怜奈さん
失敗を次の糧にするのも、生技の仕事
高橋さんは幼い頃から、パズルや工作が大好きだったという。自然と理系に進路を取り、東京農工大学工学部機械システム工学科に進学した。大学院ではMEMSとトライボロジー関連の研究に没頭した。 そこで機械システムに興味を持ち、就職活動では生産技術職を中心に据えた。家電や食品を含む各種メーカーを受けた。 最終的に、細かなトライ&エラーの積み重ねが必要な精密機械に関わる生産技術という点と、高級品でもありながら身に着けて身近に感じられる時計の製造に携わりたいとの思いでシチズン時計に入社した。 当初から生産技術職に配属となり、新人時代から幅広い開発や試作、試験に関わった。2年目には、ロボットシステムやビジョンシステムの構築に携わるようになった。 その中で、量産ラインに使えるまでのシステムの完成度に至らなかった開発案件も少なくないという。ただ、そこから学んだことも多い。 「失敗した経験も次の成功の糧にする。それが、生産技術の仕事で大事なことです。だからこそ、幅広く挑戦させてもらえる社風や部署に感謝しながら、これからも失敗を恐れずチャレンジしたいです」(高橋さん)
大きな課題を、小さな積み重ねで
生産技術のやりがいを「とてつもなく難しく大きな課題があった時でも、要素を細分化して一つ一つ順に解決していけば、最終的にうまくいくはず。そんな風に頭を使うのが好きで、生産技術は性に合っています。システムを作り、大きな課題を解消した時の達成感は、言葉にできません」と口にする。 干川課長は「お願いごとをすると、プラスアルファで返してくれる。開発はメンバー同士の連携が大事だが、コミュニケーションも円滑。リーダーの経験も積み、チームにいないと困る」と評価する。 それでも、高橋さんは「『この人と働きたい』と今まで以上に周囲から思われる生産技術者になりたい。そのためには、技術も知識もコミュニケーション能力もまだまだ磨かないと。日々勉強です」と、向上心を見せる。 さらに、干川課長は「後輩が配属された時には、指導担当をお願いするつもり」と明かす。同課では業務の特性もあり、実践を通じて育成する職場内訓練(OJT)が中心となる。 高橋さんは「OJTでは、指導担当や近くにいる先輩がどんなふうにサポートするかが重要と、私自身が感じました。私が先輩方にしてもらったように、まるで見透かされたようにベストなタイミングに適切なフォローをして、後輩と一緒に成長できたらうれしいです」と、将来を見据える。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)
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