ヒューマノイドの学習データ収集拠点を開設/J-HRTI
基本的な動作から
同拠点にはデータ収集の「トレーニングゾーン」や、収集したデータをAIが理解可能なデータに変換する「アノテーションエリア」、動作検証用の「テストエリア」などがある。トレーニングゾーンはヒューマノイド40台分のスペースがあり、現状は中国のAGIBOT(エージーアイボット)製の35台を設置する。
1台ごとにオペレーターが1人付き、コントローラーでヒューマノイドを操作する。ヒューマノイドの関節動作や、カメラで記録した映像をデータとして集める。具体的な動作としては、ケースの中から対象物を1つずつ取り出して別のケースへ移載するような、多くの現場で発生する基本的な動作から学習を始める。
また手先にシャベルを取り付け、ケース内のプラスチックの粒をすくう動きを通じ、道具を使った動作の学習も進める。
このようにして集めたデータを、アノテーションエリアで変換する。ヒューマノイドがどのような作業をしているか文字で細かく入力し、動作とテキスト情報を紐付ける。理想的な動作ができたデータは「優秀」、物を取り落としたが拾い直せたような作業は「許容」、失敗した作業は「不良」などと区分けし、失敗時の動作も学習できるようにするという。
「すでに数千件のデータは収集できており、それを基にした実機の自律動作の検証も間もなく始められる。単純なタスクであれば今年中の現場実装を目指す」と磯部社長。
J-HRTI参画企業には同拠点で収集したデータが基本的には全て共有され、自由に利用できる。個々の企業でデータ収集をする手間が省けるだけでなく、学習にかかる設備投資費も参画企業で分担するため、コストを抑えられるのもメリットになる。
今後の計画として、関西にも同様のデータ収集拠点を設置し、関東データファクトリーと合わせて「マザー拠点」と位置付ける。さらに各地域に小規模な「サテライト拠点」を複数作り、計10カ所の拠点を設ける。マザー拠点では大量のデータ収集を行い、サテライト拠点は現場での稼働データの分析などを担う。
「コンソーシアムに参画しない企業でも利用できるよう、データ販売の枠組みも検討中。次年度以降、現場実装や拠点設立をさらに推し進めたい」と磯部社長は話した。
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