人手不足に直面! 米国製造業で「自動化は必須」に【後編】/IMTS2024
AI×ロボットが本格化
今回展で注目を集めたのは協働ロボットだけではない。ロボットとAIを組み合わせた展示も話題を呼んだ。
安川電機は産業用ロボットの新世代機「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」をアピールした。AIのデータ処理に適したNVIDIA(エヌビディア)の画像処理装置(GPU)などを搭載し、動作を細かくティーチング(教示)しなくても自律的に判断して作業ができるロボットだ。
会場では位置を決めずに箱の中に置かれたものを自動で判断して別の箱に移すデモを披露した。高機能なロボットと、数百ドルで買える安価なステレオカメラを組み合わせてシステムを構築し、コストパフォーマンスの高いシステムを実現した。
ユニバーサルロボットが展示したAIマシンテンディングシステム
ユニバーサルロボットも会場でAIを使ったデモを披露した。こちらもNVIDIAのシステムを活用したもので、マシンテンディングでのAI活用を提案した。
位置決めされていないワークをロボットが自動で認識してつかみ、工作機械を模した装置にセットする。効率的かつ機械の狭い開口部に接触しない動作経路を自動で生成できる。「今回展に合わせて発表した技術で、注目度は高い」(説明員)。
ボストンダイナミクスは工場向けに4足歩行ロボットを紹介した
会場ではロボットアームだけでなく、イヌのような4足歩行ロボットの展示もあり、米国ボストンダイナミクス(Boston Dynamics)は4足歩行ロボット「Spot(スポット)」を展示した。工場で使うことを想定し、温度センサーで工場設備の温度、音響センサーで圧縮空気の漏れ、ビジョンセンサーで計器類の読み取りなどができる。
これまで紹介してきた他にもさまざまな企業がロボットやロボットを組み込んだシステムを展示した。ロボットがあるブースには多くの来場者が集まり、米国の製造企業の自動化への関心の高さがうかがえた。次回展は2年後の2026年9月14日〜19日に、今回展と同じシカゴ・マコーミックプレイスでの開催を予定する。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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