[直前特集RTJ2024 vol.7]導入ハードル下げる提案多く/マシンテンディング
後付けも、より手軽に
中村留精密工業(石川県白山市、中村匠吾社長、D-50)は、オペレーターの負担を減らす「ロボット+ストッカーシステム」を、1スピンドル1タレットの複合精密CNC旋盤「SC-200ⅡL」に搭載して出展する。コストがかかる、もっと手軽に、などの悩みを解消する提案だ。工作機械にセットアップすることで素材ローディングから完品アンローディング、パレタイジングまで、そしてツール交換なども自動で行う。同社のストッカー「箱兵衛」を使用することで、回収した完品のパレタイジングまでを行う予定。ブースではデモも見られる。
時間を作り出すための自動化を提案
牧野フライス製作所(D-52)は、製造支援モバイルロボット「iAssist(iアシスト)」を出展する。5軸MC「DA300 自働化パッケージ」と連動させ、ツール交換やワーク交換を実演する。 営業企画部プロモーション課の長友林太郎課長は「今回は特に、iアシストのできることをかみ砕いて分かりやすく提案する。DA300 自働化パッケージは、自動工具交換装置(ATC)に118本の切削工具を搭載でき、自動ワーク交換装置(APC)も付帯するが、その自動化能力をiアシストで拡張し、レベルアップにつなげられることを示したい」と意気込む。 iアシストは、例えば360度自由自在に移動できる「オムニドライブ」など、技術的な優位性が高い。しかし現状では、顧客の現場に導入するにはコストを含めて「ハードルが高い」との声が聞こえてくるという。「使い方が簡単という点を強くアピールしたい。i-アシストへの指示出しは容易で、簡単に動かせる。デモをお見せしながら、体験コーナーで実際に扱っていただく予定。段階別の見せ方を意識し、より具体的なイメージの喚起を図る」(長友課長)。
操作体験や簡単さの実感、そして機械(DA300)とのつながり、現場での使用イメージを提示する。そこから「他の機械の場合はどうなの?」との話に発展するのが理想だ。 「少しでも身近に感じてもらい、どれだけ導入ハードルを下げられるかが重要。自動化しても工数が劇的に下がるわけではない。人にしかできないことに注力するための自動化を提案したい。本当に求められているのは、生産量を1個から100個にすることではなく、技能伝承の時間を作り出せる自動化だと感じる。日本の製造現場に本当に必要な自動化に貢献したい」と長友課長は力を込める。