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2024.03.15
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[SI基礎講座vol.6] 生産技術概論④

標準時間の基準は熟練作業者

標準時間について(SI基礎講座、スライド資料より)

 続いて、「標準時間」について説明します。  標準時間は、素人ではなく熟練した作業者が、定められた作業条件のもとで無理のない良好な作業方法と作業速度で、顧客の要求品質を作り出し、所定の量の作業を達成するために必要な時間のことです。  作業者の1日の仕事量が分かったら、投入しなければいけない作業者の数や設備がどれぐらい必要か、などを検討します。  これらは生産計画の基礎となるもので、どれだけの人と時間をかければできあがるかを考えるベースとなります。  実際の作業時間にはばらつきが生じますが、できるだけばらつきを抑えることを考える必要があります。自動化は、ここに深く関わってきます。基本的な作業を標準化して、まずはジグ(補助具)などを工夫することで誰がやっても同じようにできるようにしましょう。その次のステップが自動化やロボットの検討になります。

正味時間は圧縮、余裕時間は削減

標準作業時間の構成(SI基礎講座、スライド資料より)

 次に標準時間の設定についてお話しします。  標準時間には「準備時間」と「主体時間」があり、それぞれに「正味時間」と「余裕時間」があります。  人が作業をすると、不備やトラブル、さまざまな都合などが出てくるため、これらも考慮する必要があります。余裕時間には必要な部分もありますが、無駄も含まれますので、無駄な部分は削減していくことを考えてください。一方の正味時間は、圧縮していきましょう。効率を上げる方法を考えていく必要があります。  作業標準時間は設定して終わりではなく、そこから効率を上げていく活動、無駄をなくしていく活動につなげていくことがポイントになります。

――次回は「生産技術概論⑤」です (構成・ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

※この記事は2023年9月12日~14日に日本ロボットシステムインテグレータ協会が主催した「ロボットSI基礎講座」を誌上講座として収録したものです。「ロボットSI基礎講座」の詳細情報の確認や申し込みは、同協会の公式ウェブサイト内「ロボットSI基礎講座」のページから。 関連記事:[SI基礎講座vol.1] オリエンテーション① 関連記事:[SI基礎講座vol.2] オリエンテーション② 関連記事:[SI基礎講座vol.3] 生産技術概論① 関連記事:[SI基礎講座vol.4] 生産技術概論② 関連記事:[SI基礎講座vol.5] 生産技術概論③

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