特集・トピックス

　続いて生産準備について説明します。 　生産準備としては、レイアウトを設計をしなければなりません。生産方式や作り方、順序などを考えたら、「流し方」を考えましょう。コンベヤーを使うのか、セル生産方式にするのかなど、いろいろな方式があります。設備、マテハン（マテリアルハンドリング）機器、作業者の配置や物流導線を考慮し、効率の良いレイアウトを考えます。 　物流導線は、簡単に言えばできるだけ「交差させない」ことが基本になります。 　そしてライン構築をして設備を導入し、ジグ・工具も考えます。また作業手順書がない現場、活用されていない現場もありますが、これはしっかりと作りましょう。そして作業者教育をして、試作対応をする流れになります。

　ここでは、生産技術の課題についてお話しします。 　新たに開発された製品は、高度化・複雑化していますよね。作り方も、今まで通りにはいかず、製造方法の開発が必要になります。 　それから、大量生産が減って、下手をすると各個人に合わせるレベルまでバリエーションを持たせたものづくりが求められます。短納期・低コストも考えなければならない。熟練作業者が減って、技術伝承も難しくなっている。各種ツールも使いこなさなければならない。また生産技術者は慢性的に不足しています。 　このように課題は多いですが、対応としては例えば、デザインレビューなど設計段階にも生産技術者が積極的に関わることが挙げられます。こうした取り組みは「コンカレントエンジニアリング」と呼ばれます。新しいものづくりの仕方を考えることにトライしたり、技術基盤の整備・構築も大切です。 　

――次回は「生産技術概論③」 （構成・ロボットダイジェスト編集デスク　曽根勇也）