[2023国際ロボット展リポートvol.24]要素部品でも新製品、新提案が多数/ナブテスコ、ハーモニックドライブ、ハイデンハイン、オリエンタルモーター、住友重機械工業
2台分のエンコーダー機能を1台に/ハイデンハイン
ハイデンハイン(東京都千代田区、坂本岳司社長)は、ロボット向けのエンコーダーを出展した。エンコーダーは軸の回転量などを精密に検出する装置で、産業用ロボットの関節部分などに組み込まれる。
来場者の注目を集めたのが、新製品の「デュアルエンコーダ KCI 120 Dplus(Dプラス)」だ。
エンコーダー2台分の機能を1台に集約したのが、最大の特徴。一般的なロボットの関節では、モーターの出力軸にのみエンコーダーを付けて、モーターに入力した電流値とモーターから出力された駆動量の差異を検出して動作を補正する。
最近ではロボット動作の高精度化が進んでおり、関節駆動の精度を上げるため、モーターに連結した減速機の出力軸にもエンコーダーを付け、計2台で動作を検出する場合もある。そういった用途に、この新製品1台で対応できる。
会場では、同製品を使った外力の検出も披露した。ロボットの制御側でモーターの入力値を認識しており、新製品でモーターの出力軸、減速機の出力軸の動作量を検出する。ロボットの関節に外部から力が加われば、入力側と減速機の出力側で差異が生まれる。その差異を外部トルクとして測定する。
担当者は「2台分のエンコーダーの検出を1台に集約してロボットを高精度化でき、別途でトルクセンサーを付けることなく外部トルクの検出をできる。高機能で高精度化するこれからのロボットでも、関節の小型化に貢献できる」とアピールする。
「ちょうどいい自動化」を訴求/オリエンタルモーター
モーターメーカーのオリエンタルモーター(東京都台東区、川人英二社長)は、「『ちょうどいい自動化』は作れる!」をうたい、内製で自社に最適な生産工程を作るヒントを冊子で配布するなど、内製ロボットを訴求した。
主力のモーター「αSTEP(アルファステップ) AZシリーズ」を各軸に組み込んだ垂直多関節ロボットやスカラロボット、直交ロボット、パラレルリンクロボットを内製し、それらからなる製造ラインを展示。さらに作業対象物(ワーク)搬送用の無人搬送車(AGV)も内製して稼働させ、多様なロボットを低コストで内製できるとアピールした。
グループ企業のオリムベクスタ(東京都台東区、木方敬社長)が製造、販売する産業用ロボット「OVRシリーズ」も展示。こちらもオリエンタルモーター製のモーターを関節に組み込んだロボットで、新製品としてスカラタイプのロボットを披露し、注目を集めた。