[2023国際ロボット展リポートvol.22]空圧機器だけじゃない!/SMC、CKD、フエスト
エアと電動の長所を生かす/CKD
近年、製造現場ではカーボンニュートラル(炭素中立)化への対応が求められる。
空圧機器や省力機器メーカーのCKDは「『環境』にやさしい、『人』にやさしいBESTな選択」をコンセプトに、顧客の用途に応じてエア機器と電動機器の使い分けを提案するサービス「Best Mix Air & Electric(ベストミックス・エア・アンド・エレクトリック)」を提案した。
生産設備の各工程で、二酸化炭素(CO2)排出量やコストなどを総合的に判断し、空圧機器と電動機器の組み合わせによる最適なソリューションを提案する。
担当者は「CO2排出量の削減や費用対効果、メンテナンスの簡易性など、お客さまの要望に応じて、エアと電動のいいところ取りを提案できるのが強み」と胸を張る。
ブースでは、空圧機器と電動機器を実際に組み合わせたデモ機を展示し、部品のハンドリングなどの5工程を再現。空圧機器と電動機器を使い分けるポイントを工程ごとに詳しく来場者に示した。
超伝導体の活用技術を披露/フエスト
ドイツに本社を置く空圧機器メーカーのフエスト(横浜市都筑区、グレゴリシュ・ボクダノヴィッツ社長)は、世界初という空気圧式協働ロボット「Festo Cobot(フエストコボット)」を展示し、来場者の人気を集めた。
注目度は非常に高く、競合他社の偵察も多かったという。しかし、成瀬浩章ELAマネージャーは「フエストコボットでも高い技術見せられたが、今回展で一番見せたいのはこの技術」と言いながら、超電導体「スープラモーション」を指さす。磁気により安定して浮いており、横向きや逆さにしても非接触で一定の距離を維持する。
スープラモーションはいまだ製品化してはいないが、展示会で披露してこの技術についてのマーケティング活動をしているという。非接触の浮上搬送などでの使用を想定する。
「これだけの精度で超電導体をコントロールできることに驚く来場者は多い。わが社のコア技術である『ピエゾバルブ』を生かした最先端のモーションコントロール」と成瀬マネージャーは胸を張る。
(芳賀崇、西塚将喜、山中寛貴)

