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2024.01.15
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[ロボットが活躍する現場vol.32]状態にばらつきのあるエアコン室外機を自動分解/パナソニックエコテクノロジー関東

負担の大きい作業をロボット化

 エアコンの解体ラインは、室内機と室外機の2つに分かれる。今回ロボットを導入したのは室外機の解体ラインだ。  室外機をラインへ投入する際、外側に貼られたラベルを読み取り、データベースと照合する。ここでは三菱マテリアルの文字認識技術を活用した。  読み取った後はまず冷媒を回収し、自動分解ができない機種なら人手でカバーの取り外しや内部部品の分解をするが、自動分解が可能な機種の場合はエアコン室外機外装自動分解システムまで搬送する。  搬送された室外機は、作業者が1台ずつ架台にセットしてロボットシステムに投入される。投入後は、ビス外しからカバーの取り外しまでが全自動で進む。システムには安川電機のロボット2台を組み込んだ。  1台がビス外しを、もう1台がカバーの取り外しをする。  カバーの取り外しには、2種類のハンドを使う。1つは天面用の吸着パッドで、天面のカバーを取り外した後は、自動で3爪のハンドと交換する。3爪ハンドで正面と側面のカバーを引っ張って剝がす。外装の解体が終わるとシステムから搬出され、作業者が内部部品の解体などを続けて行う。  自動分解システムで1台の室外機の処理にかかる時間は、約180秒。熟練者の作業スピードには及ばないが、工程の一部をロボット化できた効果は大きい。  PETECKの資源製造部資源再生課の斉藤了平主任は「ビス外しは室外機の分解作業の中で、最も経験が問われる。作業に慣れるまで数カ月かかり、若手人材の定着も難しい」と言う。  また室外機1台の質量は約30kgと重く、作業者の身体的負担が高い。自動分解システムの導入は、こうした課題の解決にもなった。現場からは「腕や腰への負担が減り楽になった」との声も上がったという。

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