SIerも多数出展、金沢の展示会に3万5000人超/MEX金沢2023
16社がアピール
今回展では、併催イベントとして「AI・IoT・ロボットシステム展示」も開催された。中部地域SIer連携会(会長・瀬川裕史スターテクノ常務)の会員企業など計16社がブースを構え、自動化ソリューションを来場者にアピールした。
SIerの田口鉄工所(岐阜県大垣市、田口泰夫社長)は、台湾のテックマンロボットの協働ロボット「TMシリーズ」を使用した可動式のロボットセルを初披露した。協働ロボット用の架台とワークストッカーで構成されており、ワークの着脱作業を自動化できる。
ワークストッカーに貼り付けた「ランドマーク」と呼ばれる認識用マークをTMシリーズに標準搭載されたビジョンセンサーが読み取ることで、TMシリーズとワークストッカーの位置関係を把握してアームの動きを自動補正するため、細かな位置調整の作業は不要だ。田口頼之取締役は「シンプルで扱いやすく、中小規模の金属加工業のお客さまも導入しやすい」と述べる。
飲料容器などの搬送システムの製作を得意とするSIerのエヌテック(岐阜県養老町、小林裕幸社長)は、スイスのABBの双腕型協働ロボット「YuMi(ユーミィ)」と自社開発のAIシステムを使って個包装の菓子袋を搬送するデモを披露した。ロボット上部のカメラで菓子袋を撮影し、AIが菓子袋の形状を判断してユーミィにつかむ位置などを指示するため、一個一個微妙に形状が異なる菓子袋でも自律的に搬送できるのが特徴だ。
仕様管理サービスなどを開発するITベンチャーのファースト・オートメーション(名古屋市西区、伊藤雅也社長)は、仕様書の作成を支援するAIツール「SPESILL(スペシル)」を紹介した。仕様書作りに必要な情報収集や文章入力の作業を効率化できるのが特徴で、5月末からベータ版のリリースを開始するという。
次回展は来年5月16日~18日の3日間、金沢市の石川県産業展示館で開催される予定だ。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)