生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.02.16

PR

エプソンはさまざまなソリューションで生産現場の難題解決を共に目指す Vol.3

エプソンならではの技術で実現

分光デバイス「MEMSファブリ・ペローチューナブルフィルタ」(写真上)とその原理

 この技術を可能にしたのが、エプソンの独自開発の分光デバイス「MEMSファブリ・ペローチューナブルフィルタ」だ。本方式は2枚の反射鏡を向かい合わせ、特定の波長の光を取り出せる。
 通常は反射鏡間の距離が固定のため1つの波長の光しか取り出せないが、この分光デバイスは反射鏡間の距離をナノメートル単位で変化させることにより、取り出す光の波長を変えられる。

分光デバイスの開発を主導した松下友紀(右)と齋藤大輔(左)

 「要素部品の加工や制御にはナノメートル単位の精度が求められ、非常に高度で難しいが、エプソンの『省・小・精』の技術があれば実現できると信じて開発した。このような高精度な加工や制御技術はプリンターのインクジェット技術に通じるところがあり、これを量産して販売できるのはエプソンならでは」と開発を主導したセイコーエプソン技術開発本部デバイス応用開発部エキスパートの松下友紀は言う。

小型サイズで検査ソフトも充実、システム構築がしやすい

使いやすくさまざまな解析が可能なソフトウエア

 小型の分光デバイスを開発できたことにより、分光カメラは手のひらに乗る程度のサイズ感を実現。設置場所を選ばず取り付けられる。
 検査工程を管理するソフトウエアは単独で使うオフライン用と、ラインに組み込んで使う場合に他の画像処理やロボットも一括して制御するインライン用の2パターンを用意。操作は簡単で、色の差を一目見て分かるように表示するヒートマップ機能など、さまざまな解析や表示が可能だ。検査結果のデータを記録でき、過去の履歴を追跡できるトレーサビリティーも確保できる。

 システム構築も簡単で、「一般的な画像処理システムの経験があるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)なら、問題なく取り扱いできる。SIerなどのパートナーの拡充を進めている」とエプソン販売(東京都新宿区、鈴村文徳社長)の営業推進担当者は言う。

幅広い業界から引き合い

国際ロボットで披露し、話題を呼んだ

 2022年3月の発売以降、引き合いは順調だ。同月に開かれた「2022国際ロボット展(iREX2022)」でも展示し、注目を集めた。従来から取引のある自動車などの業界に加え、化粧品、繊維、建材、塗料など非常に幅広い業界から引き合いがあるという。

 検査の自動化は、あらゆる産業でニーズが見込めるものの、微妙な色の違いやムラまで自動で検査する方法があることはまだまだ知られていない。エプソンでは分光ビジョンシステムを積極的に顧客に提案し、機能や使いやすさを訴求することで、この新たなソリューションの周知拡大を図る。


【分光ビジョンシステムの特長】
〇環境や人に依存せず、微妙な色の違いまで認識し、色検査の自動化を実現。
〇色の情報を定量化して客観的に判断するため、検査品質が安定。
〇検査技能者の育成が不要で、即戦力。
〇コンパクトでシステムに組み込みやすい。
〇充実機能で使いやすいソフトウエア 。
〇検査結果を記録でき、トレーサビリティーを実現。


<次ページでは「SIerの声」を紹介>

TOP