ロボティクス・マテハンの拡充に注力/西部電機
新開発にはスピードが必要
重量物や長尺物を扱う工場向けに強いのが同社の特徴だが、今年は成長分野として流通、食品、電池、医薬・化粧品業界も重点ターゲットに据える。
コア部品の多くを内製しているため個別のニーズにも対応しやすく、特殊仕様の案件が多い。溝田事業部長は「顧客の課題解決型提案を基本に、顧客とともに開発に取り組む体制が強み」と話す。
「事業部として市場の変化にスピードを持って対応し、新しい事業や製品の開発に取り組むため、人員体制を強化したい」と溝田事業部長は力を込める。そのためにも、人材採用と育成は重要なテーマだ。
鍵となるのは技術者。製品の開発だけでなく、現場での施工などいろいろな領域の技術者が必要で、技術者の人数は市場への供給能力を左右する。中でも自動倉庫や搬送装置の施工には特有のノウハウがあり、一朝一夕では身に付かないので人員増強に力を入れる。
「それぞれの部門で中核となる技術者が育ちつつあるが、採用活動には継続的に力を入れる」と話す。面接は新型コロナウイルス禍でリモート面談となるが、中途採用を積極的に行い、来年度の新卒採用に向けた活動も継続する。課題は、いかに地元の学生を呼び込むかだ。「専門的な領域で深い知識と探求心を持った学生を採用したい」と語る。
海外比率3割を目指す
コロナ禍を受けて課題となっているのが、遠隔での立ち上げやトラブル対応だ。「商談は画面越しでできても、立ち上げの全てを遠隔ではできない。現場ごとに細かく仕様が異なるので、最終的には施工側と顧客企業の責任者同士が現場ですり合わせる場面がどうしても出てくる。どこまで遠隔でできるかが重要で、今は試行錯誤しながら見極めている段階だ」と語る。
現時点ではマテハン事業の売上は国内向けが中心で、海外向けは1割未満。「将来的に3割程度まで引き上げたい。そのためにも、できるところまで遠隔で立ち上げられる技術を確立する」と溝田事業部長は力を込める。