ハンドに画像処理用ソフトも! ロボ関連の製品群拡充【前編】/CKD
国内メーカー最長の片側70mmストローク
2019年5月には電動ハンドの市場にも参入し、翌20年4月には新製品「FFLDシリーズ」を発売した。
薄型で軽量なボディーを採用したFFLDシリーズは、国内メーカーでは最長の片側70mmのストロークや高い把持力などを特徴に持つ。電動式なのでストロークを自在に調整でき、さまざまな長さの物を1つのハンドでつかめるため、つかむ物のサイズが頻繁に変わる多品種少量生産のラインなどで力を発揮する。
また、動力や制御の配線が1本のケーブルだけで済むのもポイントだ。配線を極力少なくすることで断線リスクを低減し、コントローラーも内蔵することで制御盤のスペース削減にもつなげた。
片側70mmのストロークの市場は現在、海外メーカーが競合になるが「競合他社の製品と比較して、定価ベースで6割~7割ほどの価格で提供でき、国内生産なので納期にも優位性がある」と島部長は強調する。
最大把持力が80N(ニュートン)/片側の「FFLD-08」は定価で35万円、同300N/片側の「FFLD-30」は40万円だ。
同社は空圧と電動、真空の3つの駆動方式のハンドから、顧客のニーズに最も合ったものを提案する。「空圧の市場が最も大きいが、電動の市場には今後の伸びしろが期待できる。そのため、空圧や真空だけではなく、電動ハンドの提案も強化していく」と島部長は意気込む。
後編では、同社初の単体のソフトウエア商品「Facilea(ファシリア)」を紹介する。誰でも簡単に、画像処理システムを構築できるのが特徴だ。画像処理システムは「難しい」「複雑」とのイメージを持たれがちだが、ファシリアを使えば最短20分で構築できるという――。
――後編に続く
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
※この記事の再編集版は、設備財や工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)の専門誌「月刊生産財マーケティング」2020年9月号でもお読みいただけます。