中国の自動化提案は先進国に負けてない?!/第16回中国国際工作機械展覧会
JIMTOF2018と同様の展示をした日本勢
日本の工作機械や機器メーカーも積極的に自動化をアピールした。各社とも中国の顧客の自動化への要求レベルの向上を感じているという。そのため昨年11月に東京で開かれた「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」と同様のシステムを展示した企業も多かった。 大手自動車部品メーカーで、工作機械メーカーのジェイテクトは、JIMTOF2018で反響の大きかった自動加工システムをそのまま展示した。回転する円盤砥石(といし)で加工する研削盤「GF16S」と安川電機の多関節ロボットと組み合わせた。「JIMTOF2018での展示コンセプトの一つは、労働人口の減少に対する自動化ソリューションだった。それが中国市場にもそのまま提案できる状況になってきた。特にわれわれが得意な自動車産業ではニーズが高い」と担当者は話す。 加工機内で加工材料を固定するジグなどの周辺機器メーカーのナベヤ(岐阜市、岡本知彦社長)は、加工材料をセットした専用プレートごとロボットで付け替える加工物の交換方法を提案した。事前に加工材料を専用プレートにセットし、加工機内にあるジグ本体に取り付けて固定する。本体と専用プレートは簡単に付け外しできるため、加工材料の交換が一瞬でできる。また専用プレートはジグ本体の決まった位置に取り付くため、位置決めの精度も高い。 「中国製のロボットは繰り返し精度が高くない場合があるが、この方法なら加工材料を高精度に位置決めして加工機にセットできる」と担当者はアピールする。
一方、現地メーカーは?
中国国内の工作機械メーカーの多くがロボットを活用し、自動車用アルミホイールの製造工程の自動化を提案した。中国の自動車メーカー団体の中国汽車工業協会によると、18年の中国国内での4輪車の新車販売台数は約2800万台。当然だがホイールは自動車1台に4つ要るため、新車向けに限っても相当な製造量になる。その製造を自動化するニーズが高いようだ。 アルミホイールには、外周部を円形に切削する工程と内側の骨組み部分を加工する工程がある。複数の工作機械を使うため、その間の付け替えをロボットシステムが担う。 済南第一机床は自社の工作機械とファナック製のロボットを組み合わせたパッケージシステムを展示した。加工材料を回転させ、刃物を当てて加工する旋盤タイプの大型機で外周部を加工し、MCで内部の骨組みを削り出す。その間の加工材料の搬送や付け替えをロボットシステムが担う。担当者は「中国の顧客はロボットの導入が始まったばかり。パッケージ化で興味のある顧客を取り込みたい」と狙いを話す。 ロボットに加工作業をさせる提案もあった。広州太威机械は不二越のブース内で、アルミホイールのバリ(切削した端面などに生じる微小な突起)を取り除くロボットシステムを披露した。バリ取りに特化したパッケージ商品だ。