シリコーンのコーティングからポリウレタンフィルムのラミネートに変えたバージョンもそろえる。こちらは薄手で、縫製ではなく溶着で製造しているため、まとまった数量を生産する場合、生産コストを大幅に抑えられるメリットがある。また、白い半透明の生地のため、LED表示などは透けてそのまま見える。
「衛生面を気にする食品工場など、こちらは頻繁に交換する用途向け。カバーを付ければ、洗浄しやすいだけでなく、ロボットからはがれた塗装や関節部のグリスなどが食品に混入する心配もなくなる」(諏訪課長)。
ロボットフィットは現在、デンマークのユニバーサルロボット製や、台湾のテックマンロボット製、中国のAUBO(オーボ)ロボティクスやJAKA(ジャカ)ロボティクス製、ファナックの新型機種「CRXシリーズ」などの協働ロボットに対応している。
発売済みの製品はポリエステルのニット生地にシリコーンやポリウレタンのコーティングを施しているが、ベースのニット生地を耐熱性や強度が高いアラミド繊維に置き換えたものも開発中だ。耐熱性・難燃性があり、溶接などに使用できる。
ロボットフィットを提案する中で新たな要望をもらうことも多く、水などの侵入を防止するパッキンを手首部分に付けたタイプや、銅繊維を織り込むことで静電気を抑制する製品、アーム先端のハンド部分を覆うハンドカバーなど、さまざまなバリエーションを検討する。
「従来はカバーをせずに使われてきた用途でも、ロボットは高額な設備なので『水や薬品がかかる可能性は低いが、万が一のため』『カバーなしでも稼働には支障ないが汚れを防ぎたい』といった需要もあると分かった」と営業担当者の中道智大氏は言う。
「ロボット用カバーの潜在市場は大きい。積極的に提案して市場を開拓していきたい」と諏訪課長は語る。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
関連記事:協働ロボットの保護カバー「ロボットフィット」を発売/テイアイテイ
切削加工用ロボットシステムの市場拡大へ、「ロボット加工技術研究会」発足
NHK「魔改造の夜」に「Mブチモーター」が出演/マブチモーター
[ロボットが活躍する現場vol.7]ロボットで歯車生産、協働型も使いこなす【前編】/岡本工機
AIでティーチング作業を自動化/NEC
[人事]大田紘氏が新社長に/KUKA Japan
海浜幕張駅でロボットがそばをゆでる、2本腕モデルが初稼働/JR東日本スタートアップ、コネクテッドロボティクス
[特集 国際ロボット展vol.13]海外メーカーやヒト型の展示も
ロジウィルの物流センターに自動倉庫の新機種が採用/ROMS
[進化する物流vol.7]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その4】
産業用ロボットにはどういったタイプがあるのか。分類や定義、トレンド、歴史など、さまざまな観点から説明します。
“自社に合った、本当に役立つロボットシステム を導入するにはどうすればよいのか。その手順や気を付ける点などを解説します。
「産業用ロボットの導入コストはどれくらい?」。ロボット本体やシステム構築に掛かるコストの目安や考え方を紹介します。
産業用ロボットには専門用語がたくさんあります。企業のホームページやカタログを読む際に役立つ基本用語を説明します。
アクセスランキング
データベース更新情報
1.過去最多の48社が出展、名古屋で商品説明会/日本ロボットシステムインテグレータ協会
2.要望取り入れ開発加速、製造業の展示会が複数開催
3.[進化する物流vol.22]多数のマテハン機器で運用方法を検証、物流倉庫向けショールーム開設/TOYOROBO
4. [特集 2023国際ロボット展vol.7]トレンドは「ソリューション提案」/ロボットメーカー
5.[2023国際ロボット展リポートvol.19]ロボットにプラスαで機能を付与/ATI、ワコーテック、三共製作所、木村洋行、テイアイテイ、リモートロボティクス
TOYOROBOの情報が更新されました。
松下工業の情報が更新されました。
フエニックス・コンタクトの情報が更新されました。
高丸工業の情報が更新されました。
フジ矢の情報が更新されました。
ロボットダイジェストのパートナーメディア「月刊生産財マーケティング」。工作機械や関連機器のマーケティング誌で、最新技術やメーカー各社の販売戦略、分析記事など、ものづくりに携わる方々に有益な情報が満載です。2025年8月号の特集は「伸びる市場を見極めよ~不確実な時代に立ち向かう~」です。電子版も販売しております。詳しくは当欄の下部から。