[ロボへの道も一歩からCase.1-③]SIer不在で進行中/サンエース編
まず斉藤さんを悩ませたのが「どうやってエルボをつかむか」というハンドの部分だった。ストッカーの中は細かく区切られており、1箱に60個のエルボが並ぶ。周りにぶつからず、目的のエルボを正確につかむにはどうすれば良いのか。
外側から挟むべきか、それとも管の内側からつかむべきか、さまざまなシミュレーションを繰り返した。自分でハンドに似せた器具を作成し、実際にエルボを挟みながらイメージを膨らませた。
そして、ハンドが他のエルボに影響せず、多少の位置ずれにも対応できる持ち方に行き着く。
「エルボ管の縁を内側と外側からはさむことにした」(斉藤さん)
すでにハンドメーカーにも目星を付けており、近日中に購入してさらに調整を加えるという。
「なるほど、確かにその持ち方なら大丈夫そうですね!」(記者)
「まぁ、ちゃんとロボットにハンドを取り付けて動かさないと、できるかどうかは分からないですけどね」(斉藤さん)
「そうですね…」(記者)
ロボットにハンドを取り付けて思い通りに動くかを検証し、すり合わせるのが次の段階だ。もちろん、他にも考えなければいけないことが多くあり、それらを検証するにもロボットを決める必要がある。
「いよいよロボットの選定ですか?」(記者)
「ロボットはもう決めましたよ」(藤田社長)
「えっ!? いつ決めたんですか?」(記者)
「昨日(10月8日)です。契約書にもサインしました」(藤田社長)
「どこのロボットに決めたんですか?」(記者)
「セイコーエプソンですね」(藤田社長)
「…もっと早く教えてくださいよー!」(記者)
――次回「ロボ決まる」
(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)
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