• 連載
2024.11.15
★お気に入り登録

[ショールーム探訪vol.31]幅広い産業に自動化を/トライテクス「ロボコラボ」

実はもう一つ…

7㎏可搬のファナックの協働ロボット、NC旋盤、ワークストッカーを組み合わせた自動化システム

 ロボコラボには実はもう一つの自動化システムがある。正確にはロボコラボから少し離れた部品加工現場に展示されており、実際に稼働している様子を見学できる。7㎏可搬のファナックの緑色の協働ロボットが、ワークストッカーから数値制御(NC)旋盤へワークを供給する自動化システムだ。

加工後のワークを置く台(=写真左)と加工前のワークを置く台(=写真右)

 このシステムには部品加工も手掛ける同社ならではの工夫を施した。協働ロボットの台車に加工前と加工後のワークをそれぞれ置く「仮置き台」を設けた。加工前後のワークをいったんこれらの仮置き台に置き、加工時間を利用してワークストッカーにワークを搬入出することで、製造リードタイムを削減できる。「工作機械間をつなぐ周辺装置を長年手掛けてきたわが社にとり、このようなシステムは一番の得意分野。マシニングセンタやホブ盤(ホブと呼ばれる刃物を使って歯車を加工する工作機械)を使った同様のシステムの納品実績もある」と榊原常務は話す。

認知度を高める

桑山社長(=写真右)とSIer事業をメインで担当する榊原常務

 桑山社長は今後の課題に幅広い産業での認知度の向上を挙げる。幅広い産業をターゲットにロボコラボを開設したものの、現状は自動車関連の企業の来場者が多いという。「わが社には営業担当がいない。ウェブサイトを活用した『デジタル営業』を駆使しながら、SIer事業の取り組みをいかに知ってもらうかが課題。ロボコラボはロボット初心者も歓迎しているため、気軽に来場してロボットに触れてほしい」と桑山社長は話す。  ロボコラボでは近々、中国のDOBOT(ドゥーボット)の協働ロボットを導入する予定だ。桑山社長は「お試しで安く協働ロボットシステムを導入したいというニーズに応えるため、低価格帯の協働ロボットを新たに追加する。今後も協働ロボットや周辺機器などのラインアップを拡充してお客さまの選択肢を広げたい」と展望を語る。

(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)

【取材記者より】 取材を通して、桑山社長と榊原常務がものづくりを心から楽しんでいる様子が伝わってきた。同社では「ものづくりを通してお客さまの困り事を解決したい」という桑山社長の思いから、専用機やアイデア製品の開発にも積極的に取り組んできたという。来場者の自動化に関する悩みに対し、周辺装置を長年手掛けてきた同社ならではの工夫が光る自動化システムをロボコラボで提案してくれるだろう。 施設概要 名称:ロボコラボ 所在地:愛知県常滑市久米池田190 見学の問い合わせはロボコラボのホームページから

関連記事:[ショールーム探訪vol.30]ボリュームアップして新大阪にリニューアルオープン!/山善「協働ロボットテストラボ」 関連記事:[ショールーム探訪vol.29]三品産業に自動化を/ブイ・アール・テクノセンター「岐阜県ロボットSIセンター」 関連記事:[ショールーム探訪 vol.28] 協働ロボットを比較検討できる場に/バイナス「バイナス協動ロボットセレクションセンター」

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE