[SIerを訪ねてvol.40]自動化が難しい案件の受け皿になる/ピーエムティー
実現が難しい案件の受け皿に
同社は、1991年に半導体関連の商社として設立し、96年に半導体や電子部品の受託加工を開始。一方、半導体向けに依存することに危機感を持ち、2018年に食品工場向けの自動化提案を始めた。光安リーダーは「SIerとしては後発のため、実現が難しい自動化案件の受け皿になるなど他社との差別化を図らないと生き残れない。当社には案件の実現が難しければ難しいほど燃えるタイプの人間が多い」と笑う。 これまでに手掛けた実現が難しい自動化案件の例として、冷凍倉庫内の搬送業務の自動化がある。冷凍倉庫内の温度は約-25~-40度と過酷な環境。常温の場所と行き来する際に結露が発生してしまうため、一般的な無人搬送ロボット(AGV)を使った自動化システムの構築が難しい。
そこでピーエムティーは、国内総代理店を務めるモブフランス(旧アイフォロー)が開発、製造する自律搬送ロボット(AMR)「Movu ifollow(モブアイフォロー、旧アイロジスティクス)」で、冷凍倉庫内での搬送の自動化を提案する。モブアイフォローはさまざまな技術で結露の発生などを抑え、-25度の低温にも耐えられることが大きな特徴。冷凍や冷蔵、常温といった異なる温度帯をまたいだ搬送が可能だ。 「これまで低温の環境下で稼働できるAMRが少なかったこともあり、導入を検討する顧客は多い。今後は物流業界に向けて、冷凍倉庫内のパレタイズやデパレタイズなどを含めた包括的な自動化を提案していきたい」と光安リーダーは言う。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)