[活躍するロボジョvol.21] 技術力買われロボ開発部門へ/パナソニック アドバンストテクノロジー 後藤彩さん
得意なのは理系だが……
「理系が得意だと自覚したのは高校生の時。でも好きなのは文系なんです」と笑う。特に事象にストーリーやつながりのある歴史が好きで、高校と大学時代に競技かるた部に所属したこととも無関係ではない。今も、神社巡りが趣味の一つになるほどだ。「以前は誰もが知る大きな神社を巡ることが多かったが、最近は地域の小さな神社を探して足を運び、祭神や縁起(神社の起源や沿革)を知るのが楽しい」と話す。 他にも手芸や料理などをたしなむ。「昔は歴史ものの本を読むのも好きだったが、最近は料理のレシピ本を読むことが多い」と後藤さん。手芸も料理も、仕組みを理解して一定の手順で作業を進めるという点で、プログラミングをする思考に似た部分がある。「ものごとを深く知りたがる性格なので、自分で言うのも何ですが研究者肌なんだろうなと思います」と話す。
現場との接点増やしたい
今後もロボット関連のソフト開発に携わるのはもちろん、「ロボットが使われる現場との接点を増やしたい」と展望を語る。と言うのも、第二課に配属された21年は新型コロナウイルス禍の真っただ中で、現場はおろか社外に足を運ぶことも少なかった。「打ち合わせはリモートでできるようになったため、今のところ、ロボットがお客さまの現場で使われる現場を見る機会はほとんどない」と話す。 後藤さんが現在取り組むのは、リサイクルされる家電を正確に解体するロボットシステムの開発。「大型ロボットを使っているが、実はまだ現物を見ていない。ただ、シミュレーションで論理的な整合性を確認し、着実に精度向上の成果が出ているのは感じている。がっつり存在感のあるロボットなので、稼働がスタートする時には是非現場で見たいですね。それが次の案件のモチベーションにつながる」と話す。 将来に向けては「仕事の中で大事にしていることは、知識の広がりです。苦しんで身につけた知識が次のテーマで活用できる。今後も自分の興味の範囲を狭めず視点を広げていけたらと面白いですね。自分が携わったロボット技術がどのように社会に影響を与えるかが楽しみ」と語る。
(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)