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2020.09.14
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[SIerを訪ねてvol.16]難しい仕事が「飯のタネ」、駆け込み寺のSIer【前編】/コスモ技研

全体最適を追求

営業技術部の柴田和宏部門長

 同社は自社工場を持たないファブレス企業で、組み立てなどの工程は協力会社に外注するものの、システムの構想設計から機械設計、ティーチング(ロボットに動作を覚えさせること)も含めた電気制御、現地での据え付け作業、試運転の調整、立ち会いまでを全て自社で一貫して担う。  全体で28人いる従業員のうち、12人が機械設計に携わる。また、電気制御を担当するのは12人で、全員がロボットを扱える。機械設計、電気制御のメンバーは社内での設備の試運転・調整はもちろん、客先への設備搬入後の現地での試運転・調整まで責任を持って行う。営業担当の専任は設けていない。  機械設計と電気制御の両方を自社でまかなえるため、全体最適を追求したロボットシステムが構築できる。柴田部門長は「機械と電気制御でそれぞれ補い合いながら、システム全体で効率を高めるための工夫ができる」と説明する。

スマートファクトリー化を支援

 ここまでは同社の特徴を詳しく解説したが、従業員28人のSIerが「駆け込み寺」になったきっかけは何だったのか? 後編では、会社の沿革や将来展望などを紹介する。  現在はロボットだけではなく、設備の遠隔監視や予防保全を実現するモノのインターネット(IoT)技術や、製造実行システム(MES、製造工程の状態の把握や管理、作業指示や作業支援などをする情報システム)まで一貫して提案し、スマートファクトリー(次世代工場)化の支援にも取り組む考えだ。

――後編に続く (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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