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2020.08.26
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[注目製品PickUp!vol.26]作業用手袋メーカーが生んだロボ用手袋【前編】/東和コーポレーション「ロボグローブ」

標準ラインアップ増やす

 現在の主なラインアップは、「RG2用手袋タイプ」と「RG2用指タイプ」、「UR3フルカバータイプ」、「シートタイプ」の4つ。  RG2は、デンマークに本社を置くロボットハンドメーカーのOnRobot(オンロボット)のロボットハンド。この製品専用のロボグローブを標準ラインアップする。  今夏に発売したUR3フルカバータイプは、デンマークに本社を置く協働ロボットメーカーのユニバーサルロボット(UR)の製品に対応し、ロボット本体まで守るフルカバータイプだ。

オンロボットのハンド用「RG2手袋タイプ」
同じく「RG2指タイプ」

「滑らない」に価値

「いち早くビジネスモデルとして確立したい」と話す広報部の田辺敬介主任

 他にもロボットハンドメーカーからの引き合いは多く、現在は数十件のプロジェクトが同時進行する。また先日は、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、中川弘靖社長)が開発した協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」向けのフルカバータイプを発売した。  今後も積極的に製品化を進めるという。  引き合いが多いのは、カスタムメードのロボットハンドにグローブを着ける案件。機能としては「滑り止め」が最も求められるという。

市場の興味関心は強い

 最初に作ったRG2用をはじめ、ロボット用手袋は今まで市場になかった製品だ。つまりニーズが顕在化しておらず、マーケットが存在しなかった。「競合はまだない。いち早くビジネスモデルとして確立したい」(田辺主任)。  従来事業とはターゲットが違うため、ヒアリングなどの調査も進める。新たな市場を作り出している最中だ。  また2019年2月の「ロボデックス東京」、12月の「国際ロボット展」に出展したところ、いずれも大きな反響があった。その多くを占めたのは、製造現場の生産技術者を中心としたロボットのユーザーだった。  またRG2用のロボグローブは海外からの問い合わせも多いという。  「今回のコロナ禍で引き合いは一旦落ち着いたが、製造現場からロボ用手袋への興味関心は強いとの手応えを感じる」(田辺主任)  新型コロナウイルス禍で展示会などのPRの場は減ったが、まずはメルマガの配信などをしっかり進めるという。  ところで、老舗の手袋メーカーがなぜロボ用手袋の製造に乗り出したのか? そして勝機はあるのか? 後編では東和コーポレーションの戦略に迫る。

――後編へ続く (ロボットダイジェスト編集部 芳賀 崇)

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