2019.09.18
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[特別企画 新ロボット展 in 2020年愛知vol.1]ROBOT TECHNOLOGY JAPANに込める思いとは/RTJ事務局長インタビュー

SIerゾーンを用意

――その他に、この展示会の特徴はありますか。  ロボットシステムを構築するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の存在が、産業用ロボットの普及には欠かせません。ロボットは購入して、設置しただけでは動作しません。システムとして設計し、エンドエフェクタ―やセンサーを付け、ロボットに動きを教示(ティーチング)し、機械や周辺装置と同期させて一体のシステムとすることで、初めて実力を発揮します。そのシステム構築を担うのがSIerです。ロボット業界では「縁の下の力持ち」と言われることも多いですが、SIerにも注目が集まる展示会にできればと考えています。

ロボットシステムの実演も(写真はMECT2017)

――具体的には。  SIerに特化した「SIerゾーン」を設けます。一言でSIerといっても、企業ごとに得意分野は異なります。実際のロボットシステムの展示などを通し、各社の強みをアピールしていただきたい。SIerと来場者が出会う場になればと思います。 ――確かに従来の展示会では、SIerの出展は多くなかったですね。  われわれはSIerが出展しやすいよう、さまざまな小間設定を用意しています。SIerは、従業員数でいうと数人や数十人の中小企業が多く、事業規模もそれほど大きくない。そこでSIerゾーンの出展費用を一般ゾーンよりも低く設定しました。一般ゾーンでは1小間34万円ですが、SIerゾーンは25万円です。こちらを「SIerゾーンA」としています。また、展示会への出展に慣れていない企業もある。そこで「試しにちょっと出てみたい」というSIer向けに「SIerゾーンB」も用意しました。こちらは15万円です。一般ゾーンやゾーンAに比べ展示スペースは小さいですが、パネルや展示用の机など最低限の展示設備が付帯しており、低料金での出展が可能です。

――どれくらいの来場者数を見込んでいますか。  3日間で計3万人を見込んでいます。出展対象を産業用ロボット、産業用の自動化システムのみに絞っているため、来場するのは自動化や省人化に関心の高い方々ばかりです。わが社は2年に1度、名古屋市で奇数年としては日本最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)」を主催しており、近年は9万人超の方にご来場いただいています。この方々にPRする他、もちろん各メディアでの広告展開などでも来場を促します。また、共催の愛機工の存在も大きいです。愛機工には中部地方に根差した製造業関連の250社近い専門商社が加盟しており、MECTでは多くの顧客にアピールしていただいています。MECTと同じくRTJも愛機工が共催で、大変心強いパートナーです。

MECTは奇数年に開催する
MECT2017は9万人超の来場者を集めた

――やはり来場者は中部の方々が中心ですか。  わが社は出版社として設備財の専門誌「月刊生産財マーケティング」を発行し、産業用ロボットに特化したウェブマガジン「robot digest(ロボットダイジェスト)」を運営しています。この2つはRTJのオフィシャルメディアで、全国に向けて情報を発信するものです。両メディアではさまざまな企画でRTJを盛り上げていきますので、中部圏が中心ではありますが、他地域から来場される方もいると思います。メディアとして取材をすると、人手不足でお困りの企業が、本当に多い。最近では、技能継承がうまくいかず生産品質の低下を懸念する企業も増えています。ロボットはそうした課題の解決策になり得ます。2年に1度ではありますが、産業用ロボットや自動化システムが一堂に会す場を作ることで、現場の課題解決の一助になればと思います。RTJが産業用ロボットや自動化システム普及の後押しになれば、主催者としてこれ以上幸せなことはありません。繰り返しになりますが、近い将来、ロボットは必須になる。まずは導入の一歩を踏み出すきっかけを、RTJで見つけていただければと思います。

(聞き手:ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

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