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2024.08.26
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[SIerを訪ねてvol.46]FA商社のSIer事業だからこその強み/特電

20年にはショールーム開設

トクデンロボットラボの様子

 同社は静岡県内を中心に神奈川県や山梨県にも拠点を置き、事業を展開する。自動化の案件は全国各地や海外からもあるが、やはり、地元企業からが多い。  静岡県内は自動車の完成車メーカーから部品メーカー、家電や光学、製紙、食品まで多種多様な製造業がある。そのような幅広いメーカーからの依頼に応えて経験を積んできた。  自動化ニーズの高まりを受けて、2020年には本社内に対象物(ワーク)を移動させるロボットハンドリングのアプリケーションを中心に展示するショールーム「トクデンロボットラボ」開設した。

 ユニークな展示の一つが、ワークサイズを認識して、ロボットが仕分けるアプリケーションだ。  一般的には、画像認識用のカメラとソフトを使って、ワークサイズを認識するようなシステムが多い。その中、あえて画像処理を使わずに構築した。  まず、コンベヤーでワークを検出位置まで搬送する。すると、両側から単軸ロボットのロッド(可動部)が突き出してワークを挟み込む。ロッドの突き出し量から逆算して、ワークの幅を認識する。その幅から判断して、ワークを仕分ける。  担当者は「仕分けだけでなく、良品と不良品の簡単な判定などにも応用できる」と話す。  画像処理を使わないユニークなシステムを提案する一方、最近では人工知能(AI)搭載の画像認識システムを使ったアプリケーションの開発にも取り組んでいる。AIを使った外観検査システムや、ばら積みピッキングなどを提供している。

 また、自律走行型搬送ロボット(AMR)と自動研磨システムの連携もショールームで実演する。  まず、AMRがワークの入ったコンテナを前工程から運び、自動研磨システム側の投入口となるローラーコンベヤーに供給する。コンテナの到着をレーザーセンサーとカメラで認識すると、自動研磨システムがワークを取り出し、研磨して排出する。  AMRの制御ソフトと、幅広い会社のPLCなどの産業用ネットワークシステムを使って連携制御システムを構築した。  ショールームには高度なシステムばかりでなく、簡単なハンドリング作業を実現するパッケージシステムも展示する。お手軽な自動化の第一歩として提案している。

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