2019.02.05
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ワーク交換だけが自動化じゃない!加工や測定で多彩に活用【前編】

つかむだけで測れる

マグネスケールが参考出品したスケール内蔵ハンド

 参考出展だが、計測器を使わずにつかむだけで計測が完了するロボットハンドの展示もあった。提案したのは、精密な位置検出器スケールを製造するマグネスケール(東京都江東区、藤森徹社長)。スケールは、狙い通りの位置を正確に加工するため、工作機械に組み込んで使うことが一般的だ。このスケールをロボットハンドに組み込んだ。  「製造業では製造の各工程にかかる時間を必死に縮めているが、搬送と測定の2工程を同時にできれば所要時間を一気に減らせる」と吉田昌春事業戦略企画室長は話す。

ジグの交換や位置決めも

自社で構築した吉川鉄工のロボットシステム

 被加工材を位置決めして固定する補助器具(製造業ではジグと呼ばれる)をロボットで交換する提案も多い。一昔前まで自動化と言えば単一部品の量産のイメージだったが、ジグ交換ができれば少量多品種にも対応しやすい。  吉川鉄工(大阪府四條畷市、吉川智貴社長)は、自社のリベッティングマシンにデンマーク・ユニバーサルロボットの協働ロボット2台を組み合わせて自動加工システムを構築した。  片方のロボットが小さなジグを持ち、もう一方のロボットがその上にワークを載せる。ジグとワークをリベッティングマシンのテーブルまで運び、ジグをつかんだままかしめ加工をする。リベッティングマシーンのテーブルは真っ平らで、ジグの位置決めはロボットが担う。  実演では、かしめる箇所が2つのワークと3つのワークを交互に加工。合わせてジグも毎回交換し、柔軟な運用ができるとアピールした。「このシステムはシステムインテグレーターを使わずに、全て自社で構築した」と高山周一郎東京営業所長は言う。

――後編へ続く (ロボットダイジェスト編集部)

※この記事は「月刊生産財マーケティング」2019年1月号に掲載した内容に加筆・修正したものです。 関連記事:ワーク交換だけが自動化じゃない!加工や測定で多彩に活用【後編】(2月6日アップ予定)

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