2023.12.28
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ロボットエンジニア育成と裾野拡大にエンタメ視点/スクランブル

来年3月に本大会開幕

一般観戦者も多く訪れた2部リーグのプレ大会

 コアは中上級者向けの1部リーグと初心者向けの2部リーグに分かれており、来年3月に初めての1部リーグの開幕を控える。それぞれのリーグの運営テストを兼ねて、今年3月に1部リーグ、10月に2部リーグのプレ大会を開催した。

2部リーグのプレ大会で使用されたノーマル仕様のロボットキット

 10月29日に行われた2部リーグのプレ大会には、大阪府や京都府、愛知県豊田市などで活動するジュニアチームを中心に合計8チームが参加。小中学生が現役エンジニアの支援を受けながら自ら組み立てたロボットで戦った。  「このプレ大会ではキットを組み立てただけのノーマル仕様で参加してもらった。バラバラの状態の部品一式を届け、子どもたちは図面をもとに約3カ月かけて配線1本から組み立てた。これも貴重な経験になる」と川節代表理事は話す。

細部にエンタメらしいこだわり

プロスポーツ選手のようなチームメンバーの紹介

 大会にはeスポーツ専門のプロの実況者と解説者が入り、会場の熱を上げていく。チームメンバーは一人ずつプロ野球やJリーグの選手紹介のように格好よく紹介される。川節代表理事は「『エンジニアは格好いいんだ』という印象は大事」と訴える。

 また、ロボットの操縦席からはフィールドが見えないようになっており、ロボットに搭載されたカメラが映し出す映像が頼り。アニメの搭乗型ロボットを思わせるルールに、心躍る読者もいるのではないか。これは、産業用途でも実例が出始めている遠隔操作ロボットの操縦を想定したもの。堅苦しさや高尚さを感じさせることなく、「ロボットエンジニア育成と裾野拡大」という狙いをエンタメとして実現したのがコアの実像だ。

映像を頼りにロボットを操縦する
決勝戦の後には両同盟の総大将にインタビューも
スクランブルの運営メンバーと参加チーム全員で記念撮影

 2部リーグのプレ大会を通じて川節代表理事は「運営やルール運用に大きな問題がないことを確認できたのは収穫」と話し、本大会開催に自信を見せる。  プレ大会で優勝した同盟の総大将を務めた天野賢人さんは「コアに初めて参加して、優勝できるとは思わなかった。本大会では機動力を上げる工夫をしたい。本大会でも優勝を目指して頑張る」と意気込みを語った。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

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